【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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世界はよくなってる?

今年1月、スイスで行われたダボス会議に先立ち、二つの興味深く対照的な報告書が発表されました。

一つ目はビル&メリンダ・ゲイツ財団の年次レターで、人々の暮らしは世界的に良くなっていると分析しています。レターの中でも特に印象的だったのは、過去25年間で極度の貧困は半減しているという報告と、2035年にはほとんどの国が貧困から脱するという予想でした。

ワールド・ビジョン・ジャパンが支援しているベトナム、ムオンチャ地域での保健クラブの様子

ワールド・ビジョン・ジャパンが支援しているベトナム、ムオンチャ地域での保健クラブの様子

ワールド・ビジョン・ジャパンは設立されて約26年なので、上で比較した期間とほぼ同じ。これはつまり、これまで寄付・募金してくださった方々のおかげで、団体として貧困削減に貢献できてきたということであり、嬉しいニュースです。それと同時に、今後も頑張って支援を続けて行かなければいけないというエールでもあるように思えます。

保健クラブでは、山岳少数民族の女性たちが、栄養や保健に関する必要な知識を学んでいます

保健クラブでは、山岳少数民族の女性たちが、栄養や保健に関する必要な知識を学んでいます

21保健クラブで離乳食用のキャベツを刻む妊娠8か月の妊婦

離乳食のおかゆに入れるキャベツを切っているのは妊娠8か月の女性ですが、妊婦健診に行ったことはありません

二つ目の報告書は、国際NGOのオックスファムが発表した経済格差に関する調査報告書です。この報告書では、過去約30年間での世界の貧富の格差拡大について警鐘を鳴らしています。中でも、世界で最も裕福な85人の資産総額が、最も貧しい35億人(世界人口の半分!)のそれと同じだという試算は衝撃的でした。

先日、私が視察したベトナムも、実は国としては世界銀行が定義する貧困からは脱していて、中所得国の一員になっています。しかし、ワールド・ビジョン・ジャパンが支援しているディエンビエン省では、住民の約4割がいまだ貧困ライン(月間収入が20米ドル)以下の生活を送っています。また山岳地帯ということもあり、保健施設へのアクセスが悪い場所がほとんどであり、住民の多くが少数民族であるため、文化・言語の違いから、保健サービスを利用していないことが多く、新生児・妊産婦の健康維持が困難な状況となっています。

格差拡大は日本も例外ではありません。最近では、貧困状態に苦しむシングルマザーを取り上げたテレビ番組(クローズアップ現代「あしたが見えない ~深刻化する“若年女性”の貧困~」)や 子どもの貧困の問題を指摘するユニセフの報告がありました。最低限の衣食住を満たす生活水準以下の絶対的貧困が途上国で減っていくなか、日本を含め、国や地域の平均的な生活レベルより著しく低い状態の相対的貧困が増えていることは、NGOに突き付けられている新たな課題なのかもしれません。

ワールド・ビジョン・ジャパンは、東日本大震災の復興支援活動後も、国内の子どもたちへの支援を続けています。詳細は、国内子ども支援チームのブログをご参照ください。

このほか、ワールド・ビジョン・ジャパンは様々な活動を通じて、世界の子どもたちの健やかな成長を支えています。ちょうど先日2013年度の年次報告書が完成しましたので、そちらも是非ご覧頂ければと思います。制作委員の一人として皆さまのフィードバックをお待ちしております!

保健クラブに参加しに来ていた子どもと遊ぶ筆者

保健クラブに参加しに来ていた子どもと遊ぶ筆者

元気に育ってね!

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