【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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アフリカの王子様

私は、ワールド・ビジョンでアフリカ地域の支援事業を担当している。
今年を振り返ると、エスワティニとルワンダに事業視察に訪れた。

そして、私は密かに考えていたことがある。
それはアフリカで王子様を探すことだ。

といっても、私はアフリカへ未来のパートナーを探しに行ったのではない。
一体それはどういうことか、今日はみなさまにお伝えしたい。

私の大切な本

私には、大切にしている本がある。
それは『星の王子様』だ。

サン=テグジュペリによって書かれた『星の王子様』

サン=テグジュペリによって書かれた『星の王子様』

『星の王子様』は、世界で多くの方に読まれている作品のひとつで、読む時々によっていろいろな気づきがある。

物語は、アフリカで不時着したパイロットが王子様と出会うところから始まる。
王子様が地球にたどり着く前に行った星々で出会った人々のお話や、自分が大切にしていた一本のバラのお話を通して、人生の中で見落とされがちな教訓や愛情の大切さを、パイロットとの会話の中で伝えている奥の深い読み物である。

最終的に王子様は、自分の星に帰ることになり、パイロットは、せっかく仲良くなった王子様が帰ってしまうことをとても悲しく思う。

そんな時に、「空を見てよ、あの星のどこかで笑っているから(意訳)」と王子様は言う。
それがこの作品で有名な、「大切なものは目に見えない」という言葉につながる描写のひとつでもあるようだ。

そして王子様が星に帰ってしまった後、パイロットは、「もしアフリカの星空の下で、地球に戻ってきた彼(王子様)を見かけたら教えてください(意訳)」と最後の1ページで語りかけ、物語が終わる。

ルワンダの空。星が出てくるのを待っている時。

ルワンダの空。星が出てくるのを待っている時。

私にとっての星の王子様

それ故、私はアフリカに行くたびに王子様がどこかにいるんじゃないかと、ファンタジーとはわかっていながらもついつい思い出してしまったりする。笑

しかし、現地で子どもたちと会うと、本の中で王子様が教えてくれたように、人生の中に隠された教訓や愛情を彼らから学ぶことがよくある。

まさに、子どもたちは私にとっての「星の王子様」そのものだ。

子どもたちは、困難な生活の中でも、純粋な心で笑い、ともに過ごす時間を大切にし、日頃忘れがちな「本当に大切なこと」を見つめる力が宿っているように感じる。

ルワンダの子どもたち

ルワンダの子どもたち

その一方で、過酷な現実を目の当たりにし、もっと何かできる力が自分にあればと思う。
もちろんひとりで成し遂げられることではないため、皆さまと思いをともにできたら、と心から願っている。

これまですでに多くの方々が思いをともにし、支援の輪が広がり、少しずつ子どもたちの生活を変え、未来を明るくしている。

その思いに感謝し、その輪がさらに広がることを願って⭐

︎︎支援事業第1部
且田 真理

エスワティニの支援地域の女の子たちと筆者

エスワティニの支援地域の女の子たちと筆者

この記事を書いた人

且田 真理支援事業部 プログラム・コーディネーター
同志社大学グローバル地域文化学部卒。民間企業勤務を経て、上智大学大学院総合人間科学研究科教育学専攻に進学し、紛争に影響受けた社会の教育開発・教育復興などを学ぶ。大学院在学中には、ワールド・ビジョン・ジャパン、マーケティング部にてインターン・アルバイトに従事。大学院修了後、2023年11月にワールド・ビジョン・ジャパンに入団。支援事業部にてアフリカ地域を担当。
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