【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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はじめの第一歩:●●●●ものに、目を注ぐ

早朝5時。
「うっ… 汗が止まらない…… 
とりあえずトイレへレッツゴー…… 」

人生初の海外出張。最初の一週間を終えた。入団3カ月目の私にはまだまだ慣れないことばかりで疲れが溜まっていたのだろう。土日は食事の時間以外は誰にも会わず、首都のホテルでのんびりとしていた。さあ明日からまた気合を入れて頑張ろう!そう思って日曜日の夜は体調を整えるために21時には就寝した。

人生初の出張先、エスワティニ王国の支援地域で必死にメモをとる筆者

人生初の出張先、エスワティニの支援地域で必死にメモをとる筆者

翌朝5時… なんだか様子がおかしい。夢か、いや、どうやらそんな感じでもない。
胃がドクドクしている、なんなら体全体が汗をかいているではないか…。
そう思って体温計を脇に挟み、トイレに駆け込んだ。

すると、ピピピピ、ピピピピ
「38度」
終わった。一緒に出張に来ていた上司に急いで連絡し、休みをもらった。

その後、薬を飲み、熱は下がり、ただの胃腸炎だったのかと、少し安心しながら今このブログを書いている。あいにく仕事ができるほど頭は回っていないが、何もせずにはいられないサガで、とうとうPCを開いてしまった。この記録を残しておこうと。

そんなこんなで非日常な生活に、非日常な出来事は慣れるまでは付きものなのかも知れないが、ここからは私の人生初の海外出張時に感じたことを、徒然なるままに書いてみたいと思う。

人生初、海外出張でのミッション

今回私は、過去15年間にわたってチャイルド・スポンサーシップによる支援活動を行ってきたエスワティニ(旧名:スワジランド)というアフリカ南部にある国を訪問した。目的は、その15年間の成果をレポートにしてエスワティニを支援してくださった皆さまに届けるためである。そのため、どのような変化がコミュニティにあったのか、ありとあらゆるプロジェクトの場所やそれに携わった人を訪れた。

現地スタッフとの打ち合わせ(右から3人目が筆者。左端が上司の松岡さん)

現地のクリニックで働いている看護師からヒアリングをする筆者(右から3人目)

現地に行くまでは、15年前と現在のデータの変化を、現地オフィスのスタッフとともに精査していた。何よりも、誰が見聞きしても数字は分かりやすい指標のひとつであるからだ。だが、それで完結するのであれば、旅の意味は何なのか。様々な理由から終了する事業地をすべて訪れるわけではない。そのため少し疑問に思っていた。

しかし、そんな疑問すら二度と湧かないであろう。現地でこの出張の本当の意味に気づかされたような気がした。

この旅、最大のミッション。
それは、「見えないもの」を見ることだ。

見えないものには様々なことが挙げられる。
例えば、
・支援者の皆さまからの寄付金は、一人ひとりどのような気持ちで、どのような過程で送られてきたのかを見たり、知ることはできない
・事業地での取り組みの多くも、建設中や研修中に立ち会っているわけでもない
・人々の心が変わる瞬間に関しては見ようと思っても見ることができない
・最近入団した私は、15年前のこの地域の景色も、もちろん見ることはできない

世界は、このような見えないものの積み重ねで、少しずつ見える変化に繋がっているのだろう。この時に、「大切なことは目に見えない」という『星の王子様』で出てくる有名な言葉を思い出した。私が言うと、せっかくのサン=テグジュペリの言葉も多少胡散臭く聞こえてしまうが、本当にそうなんだ、とこの言葉に急に現実味が沸いた。

支援によってどう地域に変化が起きたか、想像力をフルに働かせながら説明を聞く

支援によってどう変化が起きたか、想像力をフルに働かせながら説明を聞く

ワールド・ビジョン・ジャパンの中でも出張に行ける人は限られており、その多くは私の所属している支援事業部に属している。また、日ごろご寄付をいただいている支援者の皆さまも簡単に行ける場所ではないだろう。そう思うと、自分自身がしっかり見えないものを見て、それを伝えなければならないと並々ならぬ思いがよぎった。

「見えないもの」を見ることができたか?

さて、では私は「見えないもの」を見ることができたのだろうか。
皆さま、気になるところであろう。

占い師でもない私にとって「見えないものを見る」ことは、高度なミッションであったが、答えは今年お届けするシェウラ地域の終了報告書を手にした支援者の皆さまが評価をしてくださったらと思う。(私にとって初めての報告書作成のため、先輩スタッフや上司の力を借り、一定以上のレベルに完成させますので、ご安心ください)
※終了報告書は、今年度チャイルド・スポンサーシップによる支援活動が終了する地域をご支援いただいていた方に9月ごろお送り予定です。ご支援していただいている地域でなくても、公式ホームページからWEB版をご覧いただけます。

何よりも今回、入団直後である私に出張の機会が与えられたことに、いつも応援してくださっている皆さま、同僚、上司に心から感謝したい。まだまだ、はじめの第一歩を踏み出した初心者の身ではあるが、目に見えない働き、目に見えないものも大事にし、思いを託された者として今後も頑張っていきたいと思う。

最後に、第二歩目からの自分に喝を入れるためにも次の言葉を残しておきたいと思う。
「求めよ、さらば与えられん」

大学時代にマネージャーとして体育会系の部活に所属していた私が、留学に行く前最後の練習日に誰よりも派手な黄色の紙に(多少偉そうではあるが、)書いたモットーである。たまたまSNSの思い出機能で、この写真が数日前に出てきた。初の海外出張で、うじうじしていた今の自分を応援してくれているような気がした。

これからも「目に見えないもの」を国内外の同僚の皆と大切にしていきたい。

支援地域の子どもたちと筆者

支援地域の子どもたちと筆者

次回、「第二歩」に続く(ルワンダへの出張報告をできたら…と思っていますが、公開日は未定です)。

ルワンダに関連したイベントを4月13日に開催予定です! ぜひご参加ください。

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この記事を書いた人

且田 真理支援事業部 プログラム・コーディネーター
同志社大学グローバル地域文化学部卒。民間企業勤務を経て、上智大学大学院総合人間科学研究科教育学専攻に進学し、紛争に影響受けた社会の教育開発・教育復興などを学ぶ。大学院在学中には、ワールド・ビジョン・ジャパン、マーケティング部にてインターン・アルバイトに従事。大学院修了後、2023年11月にワールド・ビジョン・ジャパンに入団。支援事業部にてアフリカ地域を担当。
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