
エクアドルの子ども
ワールド・ビジョン・ジャパンの会計年度は10月から始まり9月で終了します。ですから私たちにとってこの時期は一年の会計を締め、今までの活動を振り返り、評価をする大切な時です。
近年NGO活動への関心が高まるに伴って、現地での事業やその効果をしっかり評価することが求められるようになってきました。また、組織として効率的な運営を行っているかが問われ、それを明確に説明できること、つまり、透明性や説明責任が求められるようにもなってきました。そのこと自体は大変重要なことであり、NGOが当然果たすべき社会的責任であるといえます。
しかしこのような評価では測りにくい、しかもより大切なことがあると思います。団体本来のミッションの達成や、活動のスピリットを失わずに活動できているか。支援している子どもたちやコミュニティーの人々の生活が表面的に改善されるだけでなく、将来に希望を持って生き生きとしたコミュニティーに変化しているか。支援する方々にとってもそれぞれの生活の中で内面的に何か変化が出てきたかなど、団体の活動に関係する人々の心の変化を大切にするということです。このような数量的な評価では測りにくい、心の変化、意識の変革という視点をいつも忘れずに、きめ細やかな活動を続けていきたいと願っています。
この記事を書いた人

- ワールド・ビジョン・ジャパン常務理事
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大学卒業後、三井住友海上火災保険株式会社(旧大正海上火災)入社。1982年同社を退職し、キリスト者学生会(KGK)の関東地区主事となる。海外との文化交流事業、日本人学生の海外派遣事業、在日留学生の支援事業等も行う。フィリピンにおける2カ月間の研修および中国、タイ、インド、インドネシア等の視察を行う。
1992年同会を退会し、特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパン入団、2000年から2017年まで事務局長(2002年から2016年まで常務理事を兼務)。2017年4月から2018年9月まで常務執行役員。2018年10月から2020年3月まで業務執行顧問。2020年4月より現職。
1999年イギリス マンチェスター大学大学院IDPMにて「社会開発」と「NGOマネージメント」を学ぶ。
共著:「連続講義 国際協力NGO」(日本評論社)
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