【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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『宝箱の中身』 in ルワンダ

皆さま、ムラホ~!(ルワンダ語でこんにちは!)

2024年6月ルワンダを訪問。支援地域の子どもたちと(中央が筆者)

2024年6月ルワンダを訪問。支援地域の子どもたちと(中央が筆者)

突然ですが、今から10秒で、①宝箱 ②その中に入っていたら嬉しいもの を想像してみてください! ※心理テストではございません(^^;

チクタクチクタク. . . . .チーン!
皆さまがどのような宝箱とその中身を思い描かれたのか、とても気になります!

私の脳内で思い浮かんだのは、
キラキラ輝く宝石! 金貨!
宝箱の中身はいつも眩しく光輝いている!
そんなイメージはないでしょうか?
ちなみに私は、最近きれいに焼ける卵焼き器が欲しくてそれも追加で浮かんできました笑

さて、「もし宝箱が目の前に置いてあったとして、何が入っていたら嬉しいでしょうか?」
そんな妄想膨らむ夢のある「もしも話」は、案外万国共通でめちゃくちゃ盛り上がったりします。事業地までの長い移動時間に真面目な仕事の話や家族の話などもするのですが、さすがに1日中朝から晩までかつ今回は3週間も一緒にいたので正直ネタ切れになってしまうんですよね。そんなときに持ってこいなのが「もしも話」なんです。

今回はスタッフだけでなく、事業地で出会ったチャイルド・スポンサーシップを通して支援を受けている子ども、「チャイルド」たちとも「もしも話」で花を咲かせてきました。かわいい回答、なるほどと考えさせられる回答を、皆さまにもお伝えしたいと思います。

出会ったチャイルドたちは、ルワンダのキラムルジ地域、グヴィザ地域に住んでいます。この2つの地域では、約15年にわたってチャイルド・スポンサーの皆さまからの温かいご支援により、コミュニティに支援を届けています。

グヴィザ地域の小学校を訪問時、ふと気づくと子どもたちが大集合していました!

グヴィザ地域の小学校を訪問時、ふと気づくと子どもたちが大集合していました!

住民の方や子どもたちのイキイキした笑顔から、支援が行き届き、多くの方が貧困から抜け出す知識を得て、より幸せな毎日を送ることができていることを実感し、とても嬉しくなりました。チャイルドたちの笑顔のために、いつも応援くださっている皆さま、本当にありがとうございます。

では、ここからは、興味深い4人のチャイルドたちの回答を、いろんな思いを巡らせて読んでもらえたらと思います。
注: あくまで楽しい「もしも話」であることをご了承ねがいます。 

お題:「もし宝箱が目の前に置いてあったとして、何が入っていたら嬉しい?」

1人目 サミュエルくん(仮名) 6歳

宝箱の中に入っていたら嬉しいもの:「お金」
理由:キガリでお家を建てて家族と仲良く暮らすんだ!

サミュエルくんの家庭は、サミュエルくんが幼いときにお父さんが家を出て行ってしまい、お母さんと小さなサミュエルくんは大変な思いをしていました。両親が喧嘩する姿や、お金がなく困っているお母さんの姿を目にし、学校での成績もさがってしまっていました。しかし、ワールド・ビジョンがサミュエルくんのお父さんとお母さんにワークショップを行い、再び一緒に住むことになり、今では家族で仲良く暮らしています。心の安定からサミュエルくんは学校での成績がよくなったと話してくれました。その後、サミュエルくんには新しい弟も誕生し、次の目標は、「もっと素敵なお家に住んで、家族で幸せになりたい!だからキガリ(首都)ってなんかカッコいいでしょ? そこに家を建ててみんなで楽しく暮らしたいんだ!」と話してくれました。ご両親がうるうると涙目をされていましたが、聞いている私もつられてもらい泣きしそうでした。

2人目 リンダちゃん(仮名) 16歳

宝箱の中に入っていたら嬉しいもの:「サッカースキル」
理由:理由はうまく話せないの!

シャイなリンダちゃんは、短い私の滞在時間に多くを話すのは難しかったようですが、とても芯のある印象でした。家庭では、貧しいことが原因で心に余裕がなくなってしまったお父さんとお母さんが喧嘩をする日々で、リンダちゃんは心苦しい思いをしていたそうです。その後、お父さんとお母さんはワールド・ビジョンの研修に参加し、今では野菜の栽培方法や市場への販売方法を知り、生計を立てられるようになりました。リンダちゃんは、現在は小学5年生として学校に通っており、「将来は人を支えたい。夢は医者です」と決意を感じるような声柄で話してくれました。そして、現在ハマっているのがサッカーとのこと。なんとリンダちゃんが住む街ではサッカー選手が多く輩出される地域らしく、サッカーが盛り上がっているそうです。ちなみにサッカーが好きな理由は、「運動すると体が楽になる! 健康だしね!」となんともすでにお医者さんの卵らしい言葉で答えてくれました! 将来が楽しみです。

3人目 エマニュエルくん(仮名) 19歳

宝箱の中に入っていたら嬉しいもの: 「お金」
理由: ビジネスを学ぶ上での自己投資に使いたい!

ルワンダでは、政府の奨学金を借りて大学に行くためには、高校の最終学年で行われる試験を終了してから約1年程度審査の期間があるそうです。現在は最終試験を控えているエマニュエルくん。試験後の審査期間を無駄にせず、少しでも自分の知識を向上させたいということで、ビジネスを学びたいと話してくれました。将来はジャーナリストを目指しており、その勉強と家族の仕事のどちらの知識も増やしたいと意欲的に話してくれました。大学生活への期待と将来に向けて着実に歩んで行っている様子にとても心打たれました!(実は最近のルワンダの子どもたちに人気の職業はジャーナリストだそうです! がんばれエマニュエルくん!)

4人目 ジョンくん(仮名) 20歳

宝箱の中に入っていたら嬉しいもの:「愛」
理由:これからも愛し、愛され続けて生きていきたい!

話を聞かせてくれたジョンくん(右端)

話を聞かせてくれたジョンくん(右端)

ジョンくんは幼いころにお父さんを亡くし、それ以来十分な食事も取ることができず、小学2年生の時に学校を中退せざるを得なくなってしまいました。そんなときにワールド・ビジョンの支援が開始することになり、お母さんはワールド・ビジョンの実施する研修に通い、今では家畜や野菜を育て、販売し、生計を立てています。幼少時代の貧しく、辛い生活を送っていた時にワールド・ビジョンのスタッフやボランティアが何度も生活や健康を気にかけて訪問してくれたこと、そして何よりもチャイルド・スポンサーの方から何回も手紙をもらったことで「愛」を感じ、自分の存在価値にも気づけたと話してくれました。そんなジョンくんは「これからも愛を持って生きたい! 自分自身を向上させて家族を支えていきたいんだ」と話してくれました。

番外編:5人目 ジョンくんのお母さん

宝箱の中に入っていたら嬉しいもの:「知識」
理由:知識は宝!

ジョンくんとお母さん

ジョンくんとお母さん

「もしも話、最高じゃない! 明るい未来を考える良いきっかけね! 私も答えていい?」と最後にノリノリでお母さんも話してくれました。
ジョンくんのお母さんは、夫を亡くし、一人でジョンくん(長男)と3人の子どもを育ててきました。そんなお母さんが宝箱の中に入っていたら嬉しいものは、ズバリ「知識」。
「ワールド・ビジョンからたくさん教えてもらった知識(菜園の方法や貧困から抜け出すための心の持ち方など)を周りのコミュニティの人にももっと伝えたいし、世界でいまもなお大変な思いをしている人がいたらぜひ教えてあげたいんです。そして何よりも、あなたが日本から来てくれてよかった! 日本からの支援が私たちのコミュニティに行き届いており、その変化をぜひ見て欲しかったの!」と話してくださいました。

私の宝箱の中身

いかがでしたでしょうか? 本来であればこの言葉を、私ではなくいつも温かいご支援をしてくださっている皆さまに直接お伝えしたいのですが、このように現地の方からの溢れんばかりの心の底からの感謝をこのブログを通して皆さまにもお伝えできればと思います。本当にいつもありがとうございます。

このように何か「モノ」が欲しいと話したチャイルドはひとりもおらず、「モノ(=卵焼き器)」が欲しかったのは唯一私のみで、なんとも浅はかな考えであり、少し恥ずかしい気持ちになりました。しかし、帰国後に久しぶりの温泉でぼ~っと疲れを癒しながら、チャイルドたちの話を思い出し、自分が本当に欲しいものは何かを改めて見つめなおしました。

そして、私の宝箱の中身は変わりました。それは、お金でも名誉でも、もちろん玉子焼き器でもなく「一人でも多い理解者(仲間)と信頼」です。

幸いにもワールド・ビジョンに入団し、同じ志を持つ仲間と一緒に自分がやりたいことに全力で取り組むことができ、純粋に毎日がとっても楽しいです! 私にはいろんな仲間がおり、一緒に働く仲間、私たちの活動を支えてくださる仲間、現地にもたくさんの仲間がいます。

時間を取ってこのブログを読んでくださっている皆さまも(大変おこがましいですが)私にとっては大切な仲間です。

今後も「世界の子どもたちを救う、未来を救う」という目標にむけて、一人でも多くの仲間ともに歩んで行けたらと思っています!!

ムラコゼ!(ルワンダ語でありがとう!)

ルワンダの頼もしい同僚とともに「ムラコゼ(ありがとう)!」

ルワンダの頼もしい同僚とともに「ムラコゼ(ありがとう)!」

 

【且田スタッフ登壇イベント 録画動画のご案内】

2024年7月18日、且田スタッフがインスタライブに登壇。学生時代に1年間ルワンダに留学していた高尾スタッフと、ルワンダのあるあるや出張先でのエピソードなど、若手スタッフならではの視点でざっくばらんにお話しました。ぜひ録画動画をご覧ください!

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この記事を書いた人

且田 真理支援事業部 プログラム・コーディネーター
同志社大学グローバル地域文化学部卒。民間企業勤務を経て、上智大学大学院総合人間科学研究科教育学専攻に進学し、紛争に影響受けた社会の教育開発・教育復興などを学ぶ。大学院在学中には、ワールド・ビジョン・ジャパン、マーケティング部にてインターン・アルバイトに従事。大学院修了後、2023年11月にワールド・ビジョン・ジャパンに入団。支援事業部にてアフリカ地域を担当。
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