【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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16年越しの「再会」。いま看護師となった私にできること

昨年11月1日から12月28日まで実施した、チャイルド・スポンサーを募集するクリスマスキャンペーン。ワールド・ビジョンからの呼びかけや募集広告に、日本中から多くの方が応えてくださいました。心からの感謝ともに、お一人おひとりからお預かりするご支援を、現地の子どもたちにしっかり届けて行きたいと新たな気持ちで新年を迎えました。

日本も世界もコロナ禍という大きな課題に直面した2020年。その年末に、チャイルド・スポンサーとなることを決心くださった皆さんには、きっといろいろなお気持ちがあったのだと思います。支援を申し込む際に、ご自身のお気持ちやきっかけを言葉にして添えてくださる方がおられます。

その中のお一人、北海道にお住まいの看護師、熊谷さんのメッセージを、ご本人の承諾を得てご紹介したいと思います。

きっかけは16年前の修学旅行

「実は初めましてではないのですが…」で始まった熊谷さんからのメール。熊谷さんは、今から16年前、中学校での修学旅行の際、グループでワールド・ビジョンの事務所を訪ねてくださっていたのです。

「もともとボランティア活動・福祉に興味があった私のグループは『子どもの人身売買』をテーマに事前学習をしました。そこでワールド・ビジョン・ジャパンを見つけ修学旅行の際に訪問しインタビューをさせて頂きました」

2005年夏号 ワールド・ビジョン ニュース(右下が熊谷さんが事務所訪問くださったときの記事です)

2005年夏号 ワールド・ビジョン ニュース(右下が熊谷さんが事務所訪問くださったときの記事です)

ワールド・ビジョンでは、世界の子どもの置かれている状況等をお伝えする「グローバル教育」を実施しています。その一環で修学旅行の中学生・高校生の「事務所訪問」をしていただく機会があります。学生さんの事務所訪問があると、スタッフみんなでお迎えの挨拶をするのですが、私はいつも、「修学旅行で楽しいところ回りたいはずなのに、ワールド・ビジョンを選んでくれたとは、なんて素敵な学生さんたち!」と微笑ましく見ていました。

熊谷さんも、分野は問わず自分たちで学習テーマを決め、観光を通して学習をするという課題の中で、「子どもの人身売買」という難しいテーマを選んで取り組まれたのです。

その時の感想は、「中学生ながらに、子ども達の支援をしたい気持ちがありましたが、わずかな自分のお小遣いでは支援は難しく、無力さを感じていました」とのこと。

事務所訪問くださった学校から届いたカード(熊谷さんとは別の学校の皆さんです)

事務所訪問くださった学校から届いたカード(熊谷さんとは別の学校の皆さんです)

看護師となった熊谷さん、ワールド・ビジョンの広告を目にして・・・

熊谷さんのメールは続きます。
「今日たまたまワールド・ビジョンの広告を見て、中学生の頃の事を思い出し、メールをしました。私は看護師になって今は医療現場で働いています。昔からあった福祉への関心は変わる事なく、実際に人助けをしたいという思いからこの道に進みました。

今年はコロナ感染症が世界的に大流行し大変な年になりました。毎日、自分の健康安全を第一に考えざるを得ない状況です。中学生の当時は何の支援もできない自分でしたが、あの時の経験が一つのきっかけとなり今の私があります。仕事に就きお給料を貰えるようになった今、チャイルド・スポンサーとして子ども達の支援をしたいと思います

読みながら、思わず目頭が熱くなりました…。

この未曽有のコロナ禍にあって、人々の命を守るために、その最前線に立ち続ける医療従事者の方々の献身とご苦労は、計り知れません。その厳しい現場に立ちながらも、世界の子どものことを思い、支援を始めてくださった熊谷さん。スタッフである私たちが、熊谷さんから「感動のプレゼント」をクリスマスにいただきました。

昨年はコロナ禍で修学旅行も難しくなり、直接お会いする学生さんは少なかった一方、オンラインで伝える機会をいただき、新たなグローバル教育の可能性が見えてきた年でもありました。工夫しつつ、一人でも多くの方に、大切なことを伝え続けていきたい。熊谷さんからのメールを拝見し、改めてその思いを強く持つことができました。

2020年のサマースクールはオンラインで開催しました

2020年のサマースクールはオンラインで開催しました

自分のためだけでなく、チャイルドのためにも

最後に、ブログ掲載の相談メールに返信いただいた熊谷さんの言葉をご紹介します。
「今回チャイルド・スポンサーになったことで、看護師である自分が身近な医療福祉から、国際医療に興味が広がったのも私にとっては大きな収穫です。少し大袈裟かもしれませんが、これまでは自分のためだけに働いていたのが、私のチャイルドになってくれた子の為にも仕事を頑張ろうという糧ができた気がします」

マーケティング第1部
目黒 由美子

2019年のサマースクールにて。前列の右端が筆者

2019年のサマースクールにて。前列の右端が筆者


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この記事を書いた人

WVJ事務局
世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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