【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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東ティモール事業、3年目

はじめまして。今年の6月から東ティモール・ボボナロ県に駐在し、NGO連携無償資金協力事業を担当している頼田(よりた)と 申します。

皆さまからのご支援と、外務省からの助成金により行っている東ティモール事業は、2015年3月から事業3年目(最終年次)を迎えています。

1999年に長い闘争の末独立を勝ち取ったこの国は、今は「平和な国」といえますが、特に農村部の人々や子どもたちの生活環境はまだまだ厳しいものです。本事業は「水と衛生」に焦点を当て、今年度は県内5カ所の集落での水供給システムの建設、住民を巻き込んだ衛生啓発活動などを行っています。

水源のひとつ(2年目事業地)

水源のひとつ(2年目事業地)

活動の中で大きな比重を占める水供給システム(*1)は、現地調査や設計、資材調達を経て、建設が一気に始まりました。この工事を引っ張っていくのが、ワールド・ビジョン・東ティモールの現地スタッフ6名(全員男性)。ドライバーさんなどを除くと、6名+私がこの事業のコア・スタッフになりますが、1、2年次の経験を持つ彼らは本当に頼りになる存在です。

3年目が始まって3カ月経ってからの駐在員交代となったため、人生初・東ティモールの私はもちろん、チームの方も最初はちょっと戸惑い気味。2年3カ月の間チームを作り上げてきた前任者(三浦スタッフ )との息がぴったりだったために、新しい人で、現地語(テトゥン語)も喋れなくて、しかも女性って、どうなるやら…。

集落内…(2年目事業地)

集落内…(2年目事業地)

その不安が的中したのが現地訪問の時。水供給システムの水源は通常、山間部の泉にあるため、道なき獣道を通っていくこともしばしば。そして集落の中でも、場所によってはなかなか難易度が高い道のりです。

アウトドアが得意な前任者ならいざ知らず、生涯吹奏楽部の文系女子が勢いだけで乗り込むと…
「ああっ、マナ(*2)、危ないから!手を貸すから待ってて」
慌てるスタッフ、動けない私、大笑いする集落の子どもたち。ちなみに子どもたちは裸足でひょいひょいと進んでいきます。それにしても、育った環境が違うとはいえ、この身体能力の差は恥ずかしい…。

(私)「xxx集落の水源は私、まだ見に行ったことがないんだけど…」
(6人、口々に)「いや、マナ、あそこはマナには無理」「急こう配だから」「危ない危ない」「登るとなったら時間がかかるから」「やめた方がいいよ」「というか、無理だから」
(私)「……じゃあ今日はやめておこうかな…」

こんな頼りない駐在員ですが、チームにいつも助けられながら事業を進めていくことができています。事業の直接受益者は集落の住民そして子どもたちですが、この事業を通じてシステム設計や建設の専門知識を身につけている現地スタッフもまた、大切な受益者であり、事業の財産です。残り半年の事業期間も、このチームで建設や既設システムのモニタリングなどを行い、持続可能な形で集落(コミュニティ)への引渡しを行っていきます。

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*1)  本事業で建設しているシステムは、山間部の泉から集落までパイプラインを敷き、高低差で水を供給する重力式です。
*2 ) “マナ”はテトゥン語で女性に対する呼称。「マナ・(名前)」という呼び方もする。英語の”ミス(Ms.)”に近い使い方。男性形は”マゥン”。

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