こんにちは。スタッフの山口と申します。ワールド・ビジョンで働く前、世界中をめぐる旅人だった僕ですが(詳しくは過去のブログ)、今年の夏は仕事でカンボジアを訪れ、困難な状況に暮らす子どもたちを取材しました。
その中でも最も過酷な暮らしをしていた少女に出会いました。
首都プノンペンに暮らす9歳のダニちゃんです。
彼女の両親は新型コロナの影響で仕事と住む家を失いました。
小さな妹とダニちゃん、そして両親の4人は道路に面した建物の軒下で暮らしています。
ビニールシートで作った簡易的な家は壁が無く、雨や風にさらされます。
お風呂はなく、外で水を浴びます。トイレは近所の家で借ります。
着替えや食事をする時も、隠れる場所はありません。
蚊を媒介したデング熱にかかるおそれがありますが、それを防ぐ壁も、病院に行くお金もありません。
体調に問題を抱えるお父さんは、仕事を探してもなかなか見つけることができません。
ダニちゃんは毎日、売るためのゴミをお母さんと集めます。ゴミが集まらない日は夜中の1時頃までゴミを探します。
街には大声で怒鳴ってくる人や暴力をふるう人もいますが、家族が食べていくためにこの仕事を続けなければなりません。
両親の安定した収入が途絶え、ダニちゃんは2年間、学校に通えていません。
ダニちゃんには「人を助けるため、お母さんに楽な暮らしをしてもらうため、お医者さんになりたい」という夢があります。
でも、彼女の夢は今、消えかかっています。
取材中、衝撃的な光景を目にしました。
ご飯の準備で火をおこすため、ダニちゃんは真新しいノートを破り裂いて燃やしたのです。
道で拾ったという新しいノートは彼女にとって、もはや勉強するための道具ではありませんでした。
彼女が今日を生きるため、将来の夢もその実現のための道具も手放しているその光景に、僕は声が出ませんでした。
新型コロナは、貧困から抜け出しつつあった家族を路上での生活に追いやりました。
そして、小さくて弱い子どもたちの人生を取り返しのつかない程に狂わせています。
子どもたちがすべきは、今日を生きるための労働でなく、将来の夢を実現するための勉強であるべきです。大人から安全を脅かされる暮らしでなく、安心して友達と遊べるような暮らしであるべきです。
カンボジアで出会った子どもたちはみんな自分でなく誰かのための夢を持っていました。
「地域の人々を守るため、消防士になりたい」
「小さい子に勉強を教えるため、先生になりたい」
「国民の安全を守るため、警察官になりたい」
そしてダニちゃんの「人を助けるため、お母さんに楽な暮らしをしてもらうため、お医者さんになりたい」という夢。
僕自身の幼少期が恥ずかしくなるほど、出会った子どもたちは他人への思いやりと家族への愛にあふれていました。
そんな子どもたちの尊い夢が消えかかっています。
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、クリスマスまでに3000人のチャイルド・スポンサーを募集しています。
*チャイルド・スポンサーシップは、開発途上国に暮らす子どもたちを取り巻く環境の改善を目指してワールド・ビジョンが実施している支援プログラムです。
70年前にワールド・ビジョンの創設者、ボブ・ピアスが抱いた「誰かに何かはきっとできる」という想い。その想いは今も、支援者の皆さま・スタッフ一人ひとりの原動力となり子どもたちの未来を変え続けています。
僕自身、この言葉に共感して入団した一人です。
一人の力では問題を解決できなくても、想いを一緒にすることで多くの子どもたちに大きな変化をもたらしています。
一緒に、子どもたちの未来を変えませんか?
マーケティング第1部
山口 正義
* * * * * *
厳しい貧困で苦しむ子どもたちが、あなたの支援を待っています。
【山口スタッフの過去ブログ】
・子どもたちが支援者を選ぶ瞬間に立ち会って
・旅人だった僕がNGO職員になった理由
【山口スタッフ出演テレビ番組 録画動画のご案内】
2022年11月、山口スタッフは「ライフ・ライン」というテレビ番組に出演する機会をいただきました。バックパッカーとして世界中を旅していたとき、衝撃的な光景を目にして、この活動に身を置く決心をしたと語っています。ぜひご覧ください!
この記事を書いた人
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世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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