こんにちは。
今年の正月に「男はつらいよ」を見てから寅さんにハマってしまい、シリーズを毎日見て旅に焦がれている男、山口と申します。
僕は2020年11月にワールド・ビジョン・ジャパン(以下WVJ)に入団しました。
初めてのブログなので、WVJの仕事にかける想いをお伝えできればと思います。
本当に自分のしたいことは…? 葛藤から旅路へ
「一度きりの人生、この仕事が本当に自分のしたいことなのか?」
一般企業で働いていた自分は30歳を目前に葛藤していました。
結局、6年間働いた会社を辞めた僕は、特に計画も無いまま日本を飛び出し旅人になりました。旅先で何かが見つかると信じて…。
出国後は1年6カ月の間、アジアから中東、アフリカ、ヨーロッパ、南米を巡り40カ国の国境をバスや電車、船、飛行機で越えていきました。ワニがいるという国境の川を素足で渡ることもありました。野犬に囲まれることは日常茶飯事で、野生のゾウがいるという地域を歩いたり、気づかずに武装勢力の活動地帯を歩いてしまったり、睡眠薬強盗にあったり、詐欺グループに砂漠の村に軟禁されたり…。
いま考えてみると、命がいくつあっても足りない無知で無謀な旅でした。
貧困にさらされる子どもたちとの出会い
旅は色んな出会いをもたらしますが、僕が最も衝撃を受けたのが、貧困にさらされる子どもたちとの出会いでした。
路上での物乞いを大人から強制される子。
悪臭を放つゴミ山で、売るためのゴミを素足で集める子。
生まれながらHIV/エイズに感染し、親に棄てられた子。
スラムで帰る家もなく空腹をしのぐために安価な薬物に手を出す子。
彼らのために何かできることはないかと考え、施設でボランティアをしたり、路上でパンを買ったりもしました。しかしそれが子どもたちの抱える問題の根本的な解決になっていないことは知っていました。時に、物をあげた子どもたちから貴重品を狙われることもありました。小さな子どもたちに、そこまでさせる貧困が憎いと思いました。
心をも蝕む、貧困の魔力
旅の中で得た特技がひとつあります。
それは出会った人の瞳の奥を見て、その人が自分を騙そうとして近づいてくる人なのかを見極めることでした。やましいことがある人は、動揺が目にも現れます。それは何度も他人に騙された旅人の自己防衛策でした。
そして気づいたこと。
旅の中で出会った貧困にあえぐ子どもたちの瞳には共通して、生気や活力、未来への希望が失われていました。
貧困という魔力が身体だけでなく、確実に心をも蝕んでいました。
自分に何ができる?
帰国後、旅の中で出会った子どもたちのため自分に何ができるのかを考え、出した答えがWVJへの入団でした。一時しのぎではなく根本的な問題解決をしたい、という自分の想いと、WVJの活動とが一致していたからでした。
前職のマーケティングの知識を活かし、WVJではSNSやホームページなどデジタルメディアの運用を行っています。
世界の子どもたちの抱える問題とWVJの活動を発信することで、多くの方に団体を信頼していただき、支援の輪に加わっていただくことを目指しています。この活動を通して支援が拡がっていき、旅の中で出会った子どもたちの抱えていた問題である貧困の連鎖が断ち切れていく、と信じています。
僕が見たい世界
ワールド・ビジョンの唱える “すべての子どもに豊かないのちを”。
この豊かないのちとは、物質的・身体的な充足だけでなく、「生まれてきて良かった」と心から思える状態だと自分は考えています。
そんな世界の実現に向けて、僕もWVJとともに、そして応援いただいている皆さまと一緒に一歩ずつ歩んでいこうと思います。
余談ですが入団後、自分自身ももう少し長生きをして貧困が無くなった世界を見てみたいと思い、10年以上吸っていたタバコをやめました。
これから、どうぞよろしくお願いいたします。
マーケティング第1部
山口 正義
【山口スタッフ登壇イベント 録画動画のご案内】
2021年9月、山口スタッフがインスタライブに登壇。新人インターンからインタビューを受け、仕事にかける想いを語りました。ぜひご覧ください!
この記事を書いた人
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世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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