異常気象も続いた夏でしたが、いつのまにか秋も深まり、香りを十分に楽しむ前に金木犀の花々も散ってしまいました。「秋の日はつるべ落とし」というとおり、ふと窓の外を見ると、いつの間にか日も暮れていて、なんだか友人がさよならも告げずに帰ってしまったかのような、少しばかり寂しい気持ちになります。そして家路の途中、冷たい空を見上げると星が瞬いていて、もう冬も近づいているんだなぁと感じます。
突然ですが、皆さんには「星のような存在」はいらっしゃいますか?
自分を気にかけてくれ、見守り、支え、励まし、元気づけてくれる人。
いろいろ悩んでいる時に、星のようにさりげなく導いてくれる人。
その人がいるからこそ、今日も一日頑張れる、そんな存在。
最近、部屋の大掃除をしていた時に、私が小学校の頃にお世話になっていた学童の先生からいただいた、手作りの誕生日カードを発見しました。
「8才になりましたね!おめでとう!!
思いやりがあって、言葉を大切にしている梨紗ちゃん!
小さなお花に感動したり、工作など最後までていねいに仕上げようとがんばっていますね。
何ごとにも心をこめて接するって、とてもステキだなと思います。
これからもみんなと一緒に楽しく過ごして行きましょうね」
これをいただいた後に引っ越したこともあり、今ではこれをくださった先生のお顔も、お名前も残念ながら覚えてはいません。それでも、一緒に工作に取り組んでくださった優しい先生と過ごした時間が、とても楽しかったことは淡い記憶として残っています。
私は子どもの頃から花を見るのが好きで、今でも友人が呆れるほど出張先でも花の写真ばかり撮ってしまったり、どうでもいいような小さなところにこだわって、時間と労力を費やしてしまったりします。ちょうど「私ってダメダメだなー」と自分の弱さを痛感していた時期に、このカードを発見し「私は、本質的には昔から全然変わっていないんだな」と笑ってしまいました。それと同時に、小さな子どもであった私を、一人の人として「ステキだね」と言ってくださった大人がいたということに心から感動しました。
チャイルド・スポンサーシップ事業は、このような事業なのかもしれません。
国際協力の分野には様々な支援形態がありますが、手紙のやり取りを通じて、自分を気にかけ、幸せを願ってくれる存在が世界のどこかにいると知ることは、子どもたちにとってどんなに大きな励ましになるか、この一枚の誕生日カードで再発見したような気がします。
このカードを送って下さった先生が、今でもお元気で、幸せで、変わらず子どもたちに関わっていらっしゃることを祈りつつ、世界の子どもたちも、この先生のように本当にステキな大人たちにたくさん出会うことができるよう願ってやみません。
小さく瞬く星を見ながら、遠く離れていても、確かにそこにあって、今でも私に光を送り続けて下さる、ステキな「スター」たちを思い出しながら、私もいつかは、世界の子どもたちにとって、そんな存在になれたらいいな、と思いました。
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この記事を書いた人
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上智大学比較文化学部卒業(専攻:社会学・文化人類学)。ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院でMSc. Reproductive & Sexual Health Research修士を取得。
2010年1月 ワールド・ビジョン・ジャパン入団。2012年12月より2016年3月までベトナム、2016年4月から2018年3月までエチオピア駐在。専門領域は母子保健。
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