12月4日、『龍馬伝』最終回「龍の魂」(再放送)を見て泣きました。
志を抱いた名もなき若者であった、龍馬。
社会の固定観念に縛られず、チャレンジの先に希望を見出し、自分の利益を考えず、
多くの人が無理だと思うことでも、
「いやできるかもしれない」と信じて動く。
また「憎しみからは何ちゃあ生れん」、「子どもたちがこの国に生まれてきて本当に良かったという国」、「みんなの笑うて暮らせる国」になるように、奇跡を信じて突っ走る龍馬から、勇気づけられました。
この番組を見て、スーダンで出会った若者たちのことを思い出しました。
南部スーダンでは、2011年1月9日、南部スーダンの独立を問う住民投票が行われます。
スーダンでは、2005年1月に南北包括和平合意が締結され内戦状態に終止符が打たれるまで、20年以上も内戦が続いていました。これにより、内戦中に国内外に避難した避難民およそ400万人、そのうち難民はこれまでに330,842人、国内避難民は、112,000人以上が国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連移住機関(IOM)や政府の支援を得て、また982,840人が自発的に帰還したといわれています。包括和平合意締結後も、南部の民族間や民族内の対立や、包括和平合意の一部が履行されず、南北対立の危機もありました。
ワールド・ビジョン・ジャパンが支援しているアッパーナイル州でも、2006年、2009年の2回、州都マラカルで大きな戦闘があったり、郡部で民族間の衝突が何度もあり、数千人規模で避難民が発生したりしました。
しかし、私が3年間に南部スーダンで出会った人々は平和を求めていましたし、平和になると信じていました。
女の子も男の子も学校に通え、武装勢力などに脅かされずに自分たちの生業(農業、漁業、商売など)に従事することができる世の中になって欲しいと望んでいました。
人種、民族、宗教、性別、障がいのあるなしに関わらず、みなが公平、平等に生きることができる国にしようと志を持った若者たちに会う機会にも恵まれました。
来年1月の住民投票が、住民一人一人の声を反映したものとなるよう、また将来、「子どもたちがこの国に生まれてきて本当に良かったという国」になるように願っています。
この記事を書いた人
- 大学でスワヒリ語(東アフリカの言語)・アフリカ地域学を学んだ後、在ケニア日本大使館において在外公館派遣員として勤務。そこで、ストリートチルドレンへのボランティアを経験したことから、困難な状況にある子どもたちへの支援がライフワークに。留学、タンザニアでの協力隊を経て、2003年2月よりワールド・ビジョン・ジャパンに勤務。リベリア、スーダン、南スーダン駐在を経て、2010年5月より東京事務所勤務。現在、緊急人道支援課長。関西に住む3人のかわいい甥っ子・姪っ子たちの成長が元気の源。
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