【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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将来を担う次世代との「アクティブラーニング」

5月末からバングラデシュに出張に行ってきました、支援事業部の新口(しんぐち)です。

今回のブログはその出張のこと…ではなく、出張直前、大学生の皆さんにむけて講義をしたとき、次世代を担う皆さんのエネルギーを感じたエピソードを紹介させてください。(バングラデシュ出張は、また次回のブログで・・・)

4月7日から、ワールド・ビジョンのスタッフが講師を務める講義、「グローバル課題とNGO」が青山学院大学で開講しました。ワールド・ビジョンは「寄附講座」という形で本講義を受け持っており、昨年度からこのような機会をいただいています。国際社会共通のゴールである持続可能な開発目標(SDGs)の実現には、将来を担う次世代(若者)の力が不可欠です。本講座では受講生の世界を取り巻く課題(グローバル課題)への理解を深め、その解決に向けて考察する力を育成することを目指しています。

全15回にわたる講義では、実務者として開発途上国と日本の現場で活動するワールド・ビジョン・ジャパンのスタッフ13名がリレー方式で講師を務め、貧困や紛争、気候変動、ジェンダーなどSDGsでも取り上げられているグローバル課題を広く取り上げ、スタッフがこれまでに培った知識と経験を活かし、専門分野毎に現場の視点で現状と課題解決の取組みについてお話しています。また、国際協力分野で働くために必要な資質や経験、グローバル人材としてのキャリアデザイン、NGOの持続的運営と課題についてなど、多岐にわたる内容についてもお話しています。

リレー方式で講師を務めるワールド・ビジョン・ジャパンのスタッフ13名(左下が筆者)

リレー方式で講師を務める13名のスタッフ(左下が筆者)

昨年度は多くの講義がオンライン形式となり、講師を務めるスタッフと学生の皆さんが直接お話しすることができませんでしたが、今年度ほとんど全ての回で、スタッフが青山学院大学に伺い、教室で対面式の講義を行っています。
全15回の講義の内、私は第3回の「世界の貧困と子どもたち」と第10回の「SGDsへの取り組み」を担当させていただいています。

今年から講師陣が力を入れているのが「アクティブラーニング」です。講師が一方的に話すだけではなく、学生の皆さんが各テーマについて議論し合ったり、発表して意見を共有したりすることができる参加型の講義を目指しています。

といっても、講師であるスタッフたち自身は大学生時代にあまりそのような講義を受講した経験はありません。また、ワールド・ビジョンの寄附講座は特定の学部に限定せず、様々な学部の学生さんが履修申し込みをすることのできる科目となっており、必ずしも履修している学生さん同士が顔見知りというわけではありません。コロナ禍で昨年度、一昨年度はオンライン授業が中心となり、そもそも学生同士の直接のコミュニケーションも限定的になっていた中で、果たしてアクティブラーニングを取り入れたペアワークやグループワークはうまくいくのか…。暗中模索の状態で、講義準備を行いました。

4月21日の第3回「世界の貧困と子どもたち」の講義では、先輩スタッフとともに講師を担当させていただき、世界の貧困の現状やSDGsで目指している貧困解決のゴール、貧困をなくすためのWVの多角的な取り組み・アプローチなどについてお話しました。

新型コロナウイルス感染症の感染予防対策のため、1席ずつ開けての着席ではありますが、教室は満席で約100名の学生の皆さんが出席してくださいました

新型コロナウイルス感染症の感染予防対策のため、1席ずつ開けての着席ではありますが、教室は満席で約100名の学生の皆さんが出席してくださいました

アクティブラーニングとして取り入れたペアワークでは、それぞれが考える「貧困」の定義について個人個人で考えた後、隣の席の人とペアになり自分が考えた定義を互いにシェアしてもらい、最後に全体への発表と行ってもらいました。「うまくいくかな…」と不安に思っていたアクティブラーニングでしたが、学生の皆さんはとても活発に話し合いをおこなってくれ、全体へのシェアにおいても、とてもクリティカルな視点で考えてくれたそれぞれの貧困の定義について発表してくれました。

講義終了後には多くの学生さんが話しかけてくれ、講義の感想や、「難民やジェンダーの問題に関心があるので、次回のSGDsの回に詳しく知りたいです!」とリクエストをくれる学生さんもいました。また、ワールド・ビジョンが実施している長期的な地域開発プログラムを通じた貧困の解決について興味を持ち、具体的にどのようなアプローチを取っているか、どのような活動を行っているのか、講義終了後に講師に駆け寄って詳しく質問をしてくださる学生さんもいました。

私がワールド・ビジョンに入団したのは2020年4月で、まさに新型コロナウイルス感染症がパンデミック化したときでした。そのため、入団してからはほとんどが在宅での勤務となり、団体内外の会議も基本全てオンライン、出張にも行けず、現地のスタッフや事業地の支援対象者であるコミュニティの人々にも直接会うことができず、正直仕事に対するモチベーションが下がってしまうことも少なからずありました。
(当時のブログ:「コロナ禍で迎えた新生活」

しかし、今回青山学院大学で学生の皆さんと相互的なコミュニケーションを取りながら講義を行う機会をいただき、また真剣な眼差しで講師の話に耳を傾けてくれ、講義終了後にはたくさんの感想や質問をしてくださる学生の皆さんにお会いすることができ、自分自身のモチベーションにもつながりました。

講義終了後、講義を一緒に担当した高橋スタッフとキャンパス内のガウチャー記念礼拝堂前にて

講義を一緒に担当した高橋スタッフと筆者(右)。キャンパス内のガウチャー記念礼拝堂前にて

私の次回の担当は第10回「SGDsへの取り組み」です。SDGsは今となっては色々な場面で見聞きし、日本社会にも浸透し始めており、大学生の皆さんの中には高校時代に既に様々な学習をされている方も多いと思います。検索しても出てこない現場からの生の情報をお伝えし、単に理解を深めるだけではなく、学生の皆さんの次なるアクションにつながるような授業にできればと、鋭意準備中です。

講義終了後にはワールド・ビジョンのTwitterアカウントで、講義内容についての発信も行っています。ぜひアカウントをフォローいただいた上、各講義テーマについての講師からのKey Messageや講義を終えてのコメントをご覧ください!

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この記事を書いた人

新口慎太郎支援事業部 プログラム・コーディネーター
早稲田大学社会科学部卒、英国バーミンガム大学国際協調と安全保障修士課程修了。2016年から3年間、在カンボジア日本国大使館において保健医療や地雷・不発弾撤去の分野を中心とした草の根型ODA案件の形成と実施監理を担当。帰国後、国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所において人材育成事業に携わり、津波防災に関わる女性のリーダーシップ研修や核軍縮・不拡散トレーニングプログラムなどを担当。
2020年4月にワールド・ビジョン・ジャパンに入団。現在、ロヒンギャ難民支援をはじめとする南アジアおよび中南米における事業を担当。
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