【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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NGOプロジェクト・マネージャーの1日~難民キャンプ編~

皆さんこんにちは、駐在員の服部紗代です。現在、私はヨルダンという国に駐在しており、難民キャンプと難民キャンプの外の街(ホストコミュニティ)の2つの現場をプロジェクト・マネージャーとして監督しています。


今日は、私が難民キャンプで働くときの1日をご紹介したいと思います。

現場であるアズラック難民キャンプでは、ジャパン・プラットフォームと皆さまのご支援で、新型コロナウイルス対策として、シリア難民の方々に衛生・清掃用品の配布や戸別トイレ設置を行う水衛生事業を実施しました(2022年5月に終了)。

難民キャンプで働くときは、以下のとおり、一日フルに使うスケジュールです。

7:00 首都アンマンを出発

首都アンマンの事務所から難民キャンプには、同僚が運転する車で移動します。早朝は道路の混雑も少なく、約1時間半ほどの移動です。日本からのメールをチェックしたり、ネットが通じる限りミーティングをしたり。効率的に動くために1日の計画を立てる、貴重な時間です。私は車酔いしやすいので、酔い止め薬を服用してしのいでいます。

難民キャンプに移動する車中も、貴重な時間です

難民キャンプに移動する車中も、貴重な時間です

8:30 難民キャンプ内の工事現場に到着

到着したら、まずワールド・ビジョンの工事現場で働くスタッフ(ヨルダン人エンジニアとシリア人のワーカー)に挨拶をして、状況を確認します。

ワールド・ビジョンの工事現場入口

ワールド・ビジョンの工事現場入口

私たちの工事現場は安全性や騒音防止の観点から難民の居住エリアからは少し離れています。この工事現場には事務所も併設しています。

ワールド・ビジョンの工事現場に併設する事務所

ワールド・ビジョンの工事現場に併設する事務所

事業の開始時、砂漠だったエリアに一から作ったチームの大事な拠点です。

事務所の建設前は、このような砂漠でした

事務所の建設前は、このような砂漠でした

8:30-9:30 事務所でミーティング後、難民の居住エリアへ

工事現場の確認後、プレハブの事務所でメール対応やミーティングをします。オンライン会議に参加する場合、天気や風向きによってはネットの調子が悪く参加できなくなることも。難民の居住エリアにも足を運び、活動の状況確認や受益者の方とお話しします。

訪問するエリアを地図で確認する筆者

訪問するエリアを地図で確認する筆者

工事の資材を準備している同僚から相談を受ける筆者

工事の資材を準備している同僚から相談を受ける筆者

10:00-13:30「ベースキャンプ」に移動

国連機関や他NGOと会議をするために、各機関・団体の事務所が集まる「ベースキャンプ」に移動しました。私たちの工事現場(兼事務所)からは車で15分程度です。

ベースキャンプに移動した筆者

ベースキャンプに移動した筆者

プロジェクト・マネージャーとして、様々な関係者とのすり合わせや決め事をすることは最も重要な仕事のひとつなので、ベースキャンプに長時間滞在することが多いです。

14:00-15:30 事務所に戻り、チームミーティング

ベースキャンプから事務所に戻りました。日中、スタッフはトイレ設置のために居住エリアに出ていますが、設置業務が落ち着く14時過頃にチームミーティングを召集し、週の目標や予定、進捗等を話し合います。写真には私ともうひとりしか写っていませんが、通常はヨルダン人エンジニア6名程と集まっています。

事務所に戻り、同僚とミーテイング

事務所に戻り、同僚とミーテイング

なるべくひとりひとりから課題や好事例を聞くようにしています。チームとして同じ方向を向くために、お互いの立ち位置を確認し、すり合わせます。

15:30 難民キャンプを出発

チームミーティングの後、15時半頃に難民キャンプ内の工事現場(兼事務所)を出発。首都アンマンの事務所に向けて車で移動します。

事務所を出ると、きれいな夕焼け空

事務所を出ると、きれいな夕焼け空

帰宅ラッシュで道が混雑し、アンマン到着まで2時間以上かかることも。その間、別事業のチームと1日の進捗確認を電話で行ったり、仮眠をとります。

17:30-19:00 アンマン事務所で仕事

アンマン到着後は、事務所で急ぎのメール対応や、難民キャンプで今後やるべき事項の整理を行います。現場にいると様々な合意事項や確認事項が発生するので、その日に話した関係者が忘れないうちにメール連絡等の対応をするよう心がけています。

19:30 帰宅

現場で仕事をする日は、限られた時間で多岐にわたる業務が発生するので、お昼はポケットにしのばせておいたチョコやバナナを食べて乗り切ることが多いです。その分、帰宅して、お気に入りのアラブ料理(量多め)をNetflixで海外ドラマを見ながら食べるひとときが1日頑張った自分へのご褒美です。

モロヘイヤスープとご飯

モロヘイヤスープとご飯。アラビア語では「モロヘッ(ケとへの間)ィヤ(ملوخية)」と発音するので最初に聞いたときは何の野菜か分かりませんでしたが、ヨルダンでも人気の野菜です。ご飯にモロヘイヤスープをかけてレモンを絞って食べるのが絶品です

一瞬で過ぎてゆく1日

このように難民キャンプで働く日は長い1日ですが、体感では一瞬で過ぎてしまいます。プロジェクト・マネージャーとして、団体内、省庁、国連、ドナー等といった複数の関係者と調整交渉し、現場チームがスムーズに活動実施できるように舞台を整えつつ、行く頻度が限られている現場に入った際に、瞬時に課題の本質を理解し、解決に向けてリーダーシップをとっていくことも求められます。そのために、日頃の信頼関係の構築も必須です。

NGOのプロジェクト・マネージャーは多方面の能力が求められており、手に汗を握る場面も多いですが、その分活動がうまくいったときの喜びは大きく、非常にやりがいのある仕事です。

支援を通してトイレを設置した家庭の女性と筆者

支援を通してトイレを設置した家庭の女性と筆者


 

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この記事を書いた人

服部 紗代支援事業部 プログラム・コーディネーター
西南学院大学文学部英文学科を卒業後、ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院とキングズ・カレッジ・ロンドン精神医学研究所による国際精神保健コースにて、発展途上国および脆弱国における精神保健について学び卒業。

その後、国内の公益財団法人勤務を経て、2017年5月にワールド・ビジョン・ジャパンへ入団。現在、ヨルダンにおけるシリア難民支援事業、アフガニスタンへの物資支援、WFP(国連世界食糧計画)の食料支援事業を担当。2019年9月からヨルダン駐在。
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