内戦終了後初めての大統領、国会議員(上院、下院)選挙[1]が、国連リベリアミッションなど国際社会の支援を受けて、大きな混乱や衝突もなく10月11日に行なわれました。アクセスの非常に悪い地域を含む、全国3,070投票所への選挙関係者や物(投票用紙、投票箱など)の輸送は想像を絶する困難に遭遇したようです。
これまでの半年間は、連日、国連リベリアミッション(UNMIL)などのラジオ局で、選挙関係の歌やドラマが流れ、新聞や街角の話題も選挙一色でした。投票日当日は朝8時に投票所開場のところ、朝3時頃より子ども連れの母親、老若男女が辛抱強く投票所で列をなして投票を待っていました。事業地のあるグランド・ケープ・マウント州を含め全国的に女性の投票への参加が目立った選挙でした。基礎インフラ、社会サービス、高い失業率(8パーセント)の改善など新政府への熱い期待が感じられます。
選挙人の40パーセント以上が、人生の半分以上を内戦の中生きてきた27歳以下の若者といわれており、今後のリベリア国内の安定のためには、若者の抱える問題(失業、教育など)に対して新政府がどのように取り組んでいくかが重要な鍵となるようです。リベリアの復興、直面する課題に真剣に対応する大統領、国会議員が選ばれ、選挙結果の発表時にも騒乱がないことを望んでいます。
[1] 選挙では、大統領、上院議員30人、下院議員54人が選ばれる。
この記事を書いた人
- 大学でスワヒリ語(東アフリカの言語)・アフリカ地域学を学んだ後、在ケニア日本大使館において在外公館派遣員として勤務。そこで、ストリートチルドレンへのボランティアを経験したことから、困難な状況にある子どもたちへの支援がライフワークに。留学、タンザニアでの協力隊を経て、2003年2月よりワールド・ビジョン・ジャパンに勤務。リベリア、スーダン、南スーダン駐在を経て、2010年5月より東京事務所勤務。現在、緊急人道支援課長。関西に住む3人のかわいい甥っ子・姪っ子たちの成長が元気の源。
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