9月25、27、28日にコミュニティの住民が中心となって修復した、テウォー県のボバロ小学校(女子79人、男子102人)、ゴンダマ小学校(女子50人、男子89人)、ポパ県のボエ・サン小学校(58人、男子91人)、マノグレイ小学校(女子72人、男子168人)の引渡し式を行ないました。当日、県知事、県教育担当官、校長先生、学校委員会、子どもたちの両親、子ども達が式に駆けつけ、喜びの時を分かち合いました。
修復前には、内戦中に、トタン屋根に銃弾をあびたため、雨漏りがひどく、教室の机・椅子の多くは略奪され、略奪を免れた木製の扉、天井、窓枠などはシロアリの被害を受け、校舎は悲惨な状況でした。雨の日には、子ども達は、村のパラバハット(集会所)に避難して授業を受けていました。
プロジェクトは、コミュニティの住民が誇りを持って「自分達が修復したのだ」と言うことができるように、また継続的に小学校を保守管理していけるように、修復作業の始めから住民が主体的に作業に参加することに重点をおきました。そのため、学校委員会、校長、コミュニティの住民との話し合いの場を重ね、コミュニティが地元の大工、左官などの職工、職工への昼食、地元で入手できる資材(砂、砂利、修復現場の足場として利用する木材)を、ワールド・ビジョンが修復に必要な資材、大工道具、プロジェクトのスタッフによる技術的な助言を提供し、地元の職工が中心となって修復作業や教室の机・椅子作りを手がけることになりました。修復作業期間中、毎日のように現場に立ち会った学校委員会の委員、校長、教諭、天候などに関わらず作業にあたった職工、また作業にあたった職工の昼食を準備した住民、プロジェクト・スタッフの一人一人の働きがあったからこそ、修復作業を完成することができました。
10月11日の大統領、上・下院議員選挙後に新学期が始まります。新年には学童期の子ども達が全て学校に行き、将来への備えとして大切な教育を受けることが出来るように、ワールド・ビジョンでは小学校の修復に加えて、緊急学校給食事業も行なっています。
この記事を書いた人
- 大学でスワヒリ語(東アフリカの言語)・アフリカ地域学を学んだ後、在ケニア日本大使館において在外公館派遣員として勤務。そこで、ストリートチルドレンへのボランティアを経験したことから、困難な状況にある子どもたちへの支援がライフワークに。留学、タンザニアでの協力隊を経て、2003年2月よりワールド・ビジョン・ジャパンに勤務。リベリア、スーダン、南スーダン駐在を経て、2010年5月より東京事務所勤務。現在、緊急人道支援課長。関西に住む3人のかわいい甥っ子・姪っ子たちの成長が元気の源。
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