どうすれば「伝わる」のか。ここ数年、ずっと模索している課題です。
スポンサーサービス課で働いている私(與十田)は、チャイルド・スポンサーとしてご支援くださっている皆さまに、地域の子どもたちの様子をお伝えする役割をいただいています。最近では、支援地域から届いた動画や写真をホームページに載せてご紹介する、という部分も担当しています。
支援地域の子どもたちはどうしているかな?(毎週金曜日の更新を目指しています)
チャイルド・スポンサーの皆さまのご支援が地域にきちんと届いていること、その支援によって子どもたちの生活に良い変化が起きていることを「伝えたい!」と切に願っていますが、その難しさを感じています。ワールド・ビジョンからの報告をご覧になって「自分の支援が役に立っているのが分かって嬉しい」と言ってくださる方もいらっしゃいますが、「なんとなく実感がわかなくて…」というお声を聞く機会も少なくないからです。
「子どもたちの様子がもっと知りたい!」というスポンサーの皆さまからのご希望に応えられるように、支援地域では数年前から写真に加えて動画を撮り、その映像をスポンサーに届けられるよう現地スタッフにトレーニングが行われています。
「動画を撮るぐらい、そんなに難しくないのでは?」
と思われるかもしれません…。が、私たちが支援活動を行っている地域では、日本で想像するよりも難しいことがたくさんあるのが現状です。数年前に「支援地域から動画が届くようになるらしいよ」という話を聞いたとき、「お~、スゴイね!もし、ちゃんと届いたら…」と、嬉しい反面、本当に実現できるのかどうかを疑わしく思ってしまった自分がいました。
プロジェクト近況報告書に載せるための写真でさえ、何度もくりかえし連絡をしてようやく届いたものの、日本のご支援者に支援の成果をお伝えする写真としては「微妙…」と頭を抱えてしまうようなクオリティの写真ということも少なくなかったからです。
2014年3月、フィリピンの支援地域を訪問する機会がありました(その時の報告はこちら)。レイテ島のタクロバン市にある現地事務所でミーティングした際、普段チャイルドの情報や写真データを扱っているパソコンを見せてもらいました。前年11月に発生した台風30号(ハイヤン)で大きな被害を受けたこともあって、停電が頻繁に起こることやインターネットの接続環境が非常に悪いことを実際の画面を見ながら説明されました。パソコン自体も新しいとはいえず、起動や一つひとつの操作が円滑でない場合もあるとのことでした。
別のスタッフからは、地域に住んでいるチャイルドの訪問状況を管理しているファイルを見せてもらいました。フィリピンでは、約2,000人の子どもたちが「チャイルド」として登録されていますが、すべての子どもたちの情報をこの事務所で管理しています。ここで働く現地スタッフは約10名ですが、中にはほかの地域の事務所の仕事を兼任している担当者もいます。スタッフだけで支援地域を運営していくのではなく、地域に住んでいる村の人たちにも参加してもらって成り立っているのがチャイルド・スポンサーシップの活動です。村の人が自主的に参加することによって、支援が終了したときにワールド・ビジョンのスタッフがいなくなっても活動を続けていける人材を育てることも目指しています。
チャイルドの家を定期的に訪問したり、日本から届いた手紙を届けたり、返事を書くのを手伝っているのも、多くは地域に住むボランティアの方々です。日本に送る写真や動画撮影も、スタッフだけではなくボランティアの皆さんの協力を得ています。
暖房も冷房も効いた事務所で、動きのよいインターネット環境につながるパソコンに向かってモヤモヤしたり、イライラしたりしている私ですが、その画面の向こうでつながっている支援地域のスタッフは、日本とはまったく異なる環境で頑張ってくれているのです…。
文字にしてしまうと当たり前すぎて恥ずかしいくらいですが、自分がこうした状況を十分に想像できていなかったことに気づかされました。現地から届く情報や、届かない情報の背景にある理由や事情を「きちんと伝えなければ」と、思いました。
現地から届いた動画を見て「ううん…、子どもたちが輪になってぐるぐる回っているだけ…?!」等と頭を抱えることもありますが、そうした動画も現地からはるばる届いたことを感謝しつつ、「見せ方」や「伝え方」に知恵を絞っていきたいと思います。
スポンサーサービス課 與十田 喜絵(よそだ よしえ)
【與十田スタッフのブログ】
・砂漠でレモネードを売る
・「伝える努力、サボっていませんか?」
・東京マラソン2020チャリティに挑戦!
・災害が起こるたびに…
・チャイルド・スポンサーと支援地・インド訪問 かけがえのない体験 すっかり魅了
・Facebookでチャイルドからメッセージ!?
・オープンデー開催への道
この記事を書いた人
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世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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