駐在スタートから2カ月。雨季の到来にホッ
今年(2019年)3月末よりウガンダに駐在している岡田です。アフリカ最大の南スーダン難民居住地で実施している教育支援事業を担当しています。
5月に入り、私がいる北西部ユンベ県にようやく遅めの雨季がやってきました。
乾季の間は雨が降らないため、水道や電気は不安定で、限られた水と電気をうまく使ってシャワーを浴びたり、洗い物をしたり、掃除をしなくてはなりませんでした。食材の種類も少なく、仕事が終わった後は何を食べるか悩まされました。
雨季となった今は水道も電気も安定し、マーケットではキャベツや玉ねぎ、トマトにマンゴーと様々な農作物が並んでいます。
雨の恵みに感謝しつつ、毎日を過ごしています。
難民居住地で嬉しい話を見聞きするようになりました
私がはじめてアフリカ最大の難民居住地、ビディビディ難民居住地を訪れたのは、難民居住地が開設されて1年余りが経過した2017年11月のことでした。
その頃、短い期間で突然20万人以上もの人々が南スーダンの紛争からウガンダへ逃れ、「難民」となってしまいました(「難民」の定義はこちら)。
ウガンダに逃れてきた人々は民族も様々で、家族とも離ればなれになり、隣の人が誰だかもわからない中で突然、この居住地で共に生活を始めなくてはならなくなったのです。
そのためか、当時は近隣住民同士の争いや青少年の非行が多く、心が痛む話を聞くことが多かったように思います。
現在でも同様の問題はたくさんある一方で、月日を追うごとに様々なうれしい話を見聞きするようにもなりました。
「ウガンダに来るまでは知らない者同士だったけれど、民族も言葉も異なるけれど、今では友達だよ。お互いに何か困ったことがあれば、助け合っているよ」と笑顔で話す住民。
自分たちの子どもが安心して学ぶことができるよう、学校の制服をつくる保護者たち。
そしてそれを誇らしげに着て、学校に来る生徒たち。
限られた資材・お金を有効に使った、自発的な活動が始まっています
昨年から、この地域に住む大人たちが限られた食材とお金を持ち寄り、子どもたちのために学校給食(お粥)を作る活動を自発的に始める、という動きがありました。
しかし、これまで木の下でお粥を作っていたため、天気の悪い日には、給食を十分に提供できませんでした。
すると今度は、自分たちで給食を作るための調理場の建設をスタートしたのです。
紛争で家族や財産を失い、ウガンダでは仕事もない、たくさんのチャレンジがある中で、それでも今ある物や機会を使って前向きに生活環境を少しでも良くしていこうとする彼ら彼女たちの姿を見て、とてもたくましく思います。そして、そういった難民の方々をサポートすることが私の役割だと駐在を始めて思うようになりました。
一方で、生活環境を変えていくために様々なアイディアが出てくるものの、限界があります。しかし、限られた資本の中で、私たちに何ができるのか、コミュニティは何ができるのか、コミュニティと話し合い、共に知恵を絞りあって、少しでも子どもたちの生活環境をよくするために今後も努めていきたいと思っています。
ワールド・ビジョン・ジャパンでは、紛争の影響を受けた子どもたちのため、募金のご協力をお願いしています。
>>難民支援のための募金 詳しくはこちら
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この記事を書いた人
- 大学在学時に1年間休学し、タイのミャンマー難民キャンプでインターンを経験。大学卒業後、サセックス大学大学院(イギリス)で教育開発を専攻。平和構築と教育、難民教育を中心に学ぶ。国際機関でのインターンを経て、2017年4月にワールド・ビジョン・ジャパン入団。2019年3月末よりウガンダ駐在。2020年3月退団。
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