こんにちは!
昨年の7月からワールド・ビジョン・ジャパンの「信仰と開発(Faith&Development)」分野のインターン生として活動していた青山学院大学の藤井美有です。
大学入学以前から、国際協力や国際開発といった分野に関心があり、実務を通じて学びたいという思いでインターンシップに応募しました。
しかし、どうして「信仰と開発」という耳慣れない分野でのインターンに飛び込んだのか…
それは、「子どもの健やかな成長のために、価値観への働きかけが欠かせない」という考えを軸に、地域リーダーを起点として子どもたちの価値観・行動変容を促す信仰と開発のプロジェクトモデルに惹かれたからです。
というのも、以前カンボジアのフリースクールでインターンをしていた際….
「家計の事情で通学か就業かを迷う生徒を説得しきれず、中退を止められなかった」という先輩のお話を聞いたり、私自身も家業を理由に学校を欠席する生徒をただ見守ることしかできなかったり、「生徒の勉強に対する価値観を少しでも変えられたなら、中退や欠席を止められたのかもしれない」 と考えるときがありました。
ですが、日本から来たばかりで「部外者感」の強い私にとって、生徒の勉強意欲を掻き立てるような説得は難しいだろうというのも正直な思いでした。
このように「誰の言葉であれば、あるいはどのような伝え方であれば、話を聞いてくれるのか」と考えながら過ごす中、ふと感じたがことがありました。
それは、「僧侶の話であれば生徒も耳を傾けるのではないか」ということです。
なぜなら、「パゴダパゴダ!!」(現地の言葉で仏塔を意味する)と声に出しながら、週に何度も熱心に寺院に通う生徒の姿を見ていたからです。
地域や生徒の事情を深く理解し、生徒から信頼される長老のような僧侶の話だからこそ、生徒も真剣に聞くのではないかと考えました。
この経験から、現地事情に精通した地域リーダーを起点に子どもたちの行動を変えていく「信仰と開発」という分野に惹かれたのです。ワールド・ビジョンが行った調査によると、実際に、プロジェクトの効果として、事業地における子どもに対する体罰の件数が3年間で10パーセント以上減少したとのデータも出ています。
インターン期間中は、イベント補佐やSNS投稿文作成、資料動画の翻訳など様々な業務を経験させていただきました。
中でも印象的だった業務はワールド・ビジョンの創設者ボブ・ピアスの娘であるマリリーさんが日本の支援者そして日本事務所のスタッフにくださったメッセージの翻訳です。
彼女は、「寄付の一つひとつそしてスタッフの日々の業務の積み重ねが、事業地の子どもたちの生活を少しずつ変えており、一つひとつの行いに感謝している」と話しておられました。 それは、ボブ・ピアスが残した「”何もかも”はできなくとも、”何か”はきっとできる」という言葉のように「些細でも自分にできることを積み重ねていく大切さ」を感じるメッセージでした。
信仰と開発のプロジェクトでも、地域リーダーの意識・行動変容が地域住民、子どもたちの価値観や行動に反映されるまでには長い時間がかかります。ですが、小さな行動変容の積み重ねが必ず成果につながっています。
インターンシップを通して、このことを様々な視点を通して実感することができました。
今後は、新興国や途上国でも事業を行うメーカーに就職する予定です。インターンシップを通じてより強固になった「途上国の人々の生活をより豊かなものにしたい」という思いを、ビジネスを通じて実現したいと思います。
最後に、ワールド・ビジョン・ジャパンでのインターンシップは、実務を通じて国際協力に携われる機会、それ以上に多岐にわたる学びを得られるものでした。あたたかく気さくに迎え入れ、多くを教えてくださったスタッフの皆さまに感謝します。ありがとうございました。
サポートサービス部 信仰と開発 インターン
藤井美有
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この記事を書いた人
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世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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