【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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コミューン保健センターでの出産

以前に村落出産介助者育成についてご紹介しました。「ディエンビエン省における妊産婦・新生児の健康改善事業」を実施しているディエンビエン省では、山岳少数民族が多く暮らし、彼らの中では今でも自宅出産が半数以上を占めます。

そのために自宅での安全な出産を支援するために村落出産介助者を育成しましたが、村落出産介助者はではカバーしきれない問題もあるため、私たちの事業では保健施設での出産を推奨しています。

ドップラーの使用方法を説明する講師

ドップラーの使用方法を説明する講師

現在各村にはコミューン保健センターという保健センターがあります。センターによって医師や準医師がいて、保健省の定めでは各保健センターには助産師が常駐しています。そのためそれほど複雑なケースでない場合は、地域の保健センターで助産師の立会により、安全で清潔な出産を行うことができます。しかし保健センターにいる助産師は一人です。

そのため夜の宿直やまた助産師がお休みの日などに出産があると(勿論出産は24時間いつでも起こりえますので)、出産介助ができる保健スタッフがいないことになってしまいます。

 

いつ行っても、安全な対応を受けられるように、助産師以外の保健スタッフ(医師、準医師、保健師)に出産介助の研修を行いました。保健スタッフとしてすでに基本的な知識は習得しているものの、実際の分娩に対応できるかはまた別です。そのため、実際に分娩数の多い、郡病院にて実習を多く伴う研修を受けてもらいました。

この研修によって、助産師以外も、分娩に対応することができ、また出産に関する知識をリフレッシュすることで、コミューン保健センターでも適切に出産に対応することができるようになることを目指しています。

患者さんとの実習後に、その復習、補足説明をする

患者さんとの実習後に、その復習、補足説明をする

研修生たちは、郡病院という現場での実習を通して、患者さんたちの協力により実際の産前健診や分娩介助を行うことができ、とても有意義な研修であったと話してくれました。コミューン保健センターのスタッフが自信をもって分娩に対応できるようになり、一人でも多くの妊婦さんが安心して保健センターで出産できることを願っています。

この記事を書いた人

三浦真穂
大学院在学中にフィリピン留学をし、ストリートチルドレン保護のNGO活動に参加する。大学院修了後、他NGOにてタイ、ラオス事業を担当し地域開発に関わる。その後モンゴル駐在にてマンホールチルドレン保護事業、リベリア駐在にて帰還民支援事業などに従事する。2011年1月にワールド・ビジョン・ジャパンに入団し、支援事業部 緊急人道支援・グラント事業課 アジアチーム所属。2011年1月~2012年4月まで、ソロモン諸島に駐在。2012年11月から2016年6月まで、ベトナムに駐在。
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