【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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「今、私にできること」~感謝の気持ちを忘れない~

通勤途中の駅で、ときどきご主人さまと歩く盲導犬さんを見かけます。
黒いラブラドールです。勝手に「らぶさん」と呼んでいます(心の中で、です)。

通勤客でいっぱいの駅ですが、らぶさんはまったく動じる気配を見せません。
真っ黒でうるんだまんまるの目で、周囲に柔らかな視線を送りながら、お腹を床にぺったりつけて「伏せ」の姿勢で電車を待ちます。
でも、よく見るとしっぽはふりふりしています。
ご主人さまに対する敬愛の印でしょうか。それとも周囲の人間たちへの挨拶でしょうか。

ウガンダの支援地の子どもたち

ウガンダの支援地の子どもたち

そんならぶさんに会うと、心が温まります。
周りの方もそうなのだと思います。電車がきて乗る段になると、多くの方がらぶさんと飼い主さんに道を開けます。満員電車ですが、なるべく詰めてスペースも確保します。

らぶさんたちと私は、偶然ですが同じ駅で降ります。
らぶさんは器用にエスカレーターにご主人さまを案内し、すたすたと歩いていきます。
しっぽをふりふりしながら。
あるとき、その後ろ姿に多くの人が微笑んでいるのに気づきました。
なんだかほっこりして、らぶさんと飼い主さんに「ありがとう」と思いました。

そしてすぐ、「あれ、どうして『ありがとう』なんだろう」と思いました。
普通、気をつけて、とか。がんばってください!、とか、だと思うのですが…。

一般的な社会通念では、らぶさんや飼い主さんは、ケアされる対象と見られるのでしょう。
個人的には決して好きな言葉ではありませんが、社会的弱者、という言葉もあります。
でも、通勤の朝、温かい気持ちや元気や励ましをくれているのは、らぶさんと飼い主さんのペアです。

おそらく、私には想像もつかないチャンレジが多くあるのだと思いますが、毅然と悠々と通勤される2人(?)の姿に、らぶさんのしっぽと愛嬌のふりまきに、多くの人が心打たれるのだと思います。
それがごく自然な行動として、こころよく道やスペースを開けることにつながっている方も多いのではないでしょうか。

私が感じた「ありがとう」は、自然に手をさしのべたい、という思いを多くの人に起こさせてくれたこと、そうしてつかの間の一体感を味わわせてくれたことへの感謝なのかもしれません。

ワールド・ビジョン・ジャパンは、途上国の子どもたちを支援しています。
子どもは社会で最も弱い者です。
その子どもたちにとって優しい地域の変化は、社会の多くの人にとっても優しい変化のはず。
そう信じて仕事しています。

フィリピンの支援地の子どもたちと筆者(中央)

フィリピンの支援地の子どもたちと筆者(中央)

一方で、子どもたちは、大人の心を動かす大きなパワーも秘めています。
らぶさんに通じるもの、と言ってよいかもしれません。
子どもたちの屈託ない笑顔に囲まれると、自然と、何かしたい、と考えるのです。
途上国の子どもたちに、ジブンは何ができるのかと考えるチャンスをもらっていること、たくさんのチャイルド・スポンサーの方々と一体となりながら、できることを一生懸命やり遂げる機会をもらっていることを、あらためて、感謝したいと思っています。

最近、らぶさんに会えていません。。
いま、私にできることは、らぶさんが気づかせてくれた、途上国の子どもたちへの大切な感謝の気持ちを忘れないこと、そして、今日もらぶさんと飼い主さんにとってよい日でありますように、と心で祈ることです。

チャイルド・スポンサーシップ あなたの寄付が生み出す、8つのうれしいこと。

クリスマスまでの「この子を救う。未来を救う。」キャンペーン期間中は、ワールド・ビジョン・ジャパンのスタッフ、ボランティア、インターンの支援に携わる想い「今、私にできること」シリーズを週1~2回掲載します。次回は、12月11日、緊急人道支援課の若手、大井スタッフの「取り残される脆弱国・紛争影響国への支援」をお届けします。お楽しみに!

この記事を書いた人

木内 真理子WVJ事務局長
木内 真理子WVJ事務局長WVJ事務局長
大学卒業後、国際協力銀行(JBIC)前身のOECFに入社。途中英国LSE(社会政策学)、オックスフォード大(開発経済学)での修士号取得をはさみ、アフリカ、インドネシア、フィリピンにおいて円借款業務を担当。母になったことを契機に転職。東京大学にて気候変動、環境、貧困など21世紀の課題に対応するSustainability Scienceの研究教育拠点形成に従事。「現場に戻ろう」をキーワードに08年10月よりWVJに勤務。アフリカ、中南米、ウズベキスタンを担当。2011年5月より、東日本緊急復興支援部長。2013年4月より副事務局長。2017年4月より事務局長。
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