【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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アッパーナイル便り(6) 異常気象の中での収穫(2007年11月)

ワールド・ビジョン・ジャパンでは、水・衛生事業と並行して、昨年11月以降に帰還したばかりの2,800世帯を対象に、5種類の種子[i]、3種類の農具[ii]、2種類の漁具[iii]からなるサバイバルキットを配布した。

パクワ村でのサバイバルキット配布模様 

パクワ村でのサバイバルキット配布模様

シルックの人々がようやく安心して、肥沃な低潅木の森林地域で耕し、種まきをした矢先に、数十年来の異常気象。まず、この地での降雨によるものではなく、アッパーナイル州の北に位置するコルドファン南部州から低地にあるシルック王国への多量の流水により、森林地域の畑の一部或いは最悪全体が浸水し、ソルガム(アゴノ種)などの作物に被害が出た[iv]。更に輪をかけて、ナイル川上流ウガンダ東部やエチオピア西部などでの大雨による増流により、支流のロロ川の氾濫規模は例年よりもひどく、庭先に栽培していたソルガム(ルアル種)、カボチャ、ササゲなどにも被害が出たという。このため、配布した種子の生育状況の確認や浸水の影響を確認するため、配布を行った18ヶ村でモニタリングを実施している。
先日、サバイバルキット事業のスタッフと一緒にパニカン地区パクワ村の受益者インタビューを行った。20数年に及ぶ内戦を経験したスーダンでは多くの男性を失い、女性の世帯主が多い。カボチャの収穫を喜ぶメアリー・デンさんもその一人だ。

カボチャの収穫を喜ぶメアリー・デンさん

カボチャの収穫を喜ぶメアリー・デンさん

アジュオック・オキエックさんは脱穀をしていないソルガム(ルアル種)一袋とササゲ3kgの収穫があり、まだ収穫をしていない作物が畑にあるという。

アジュオック・オキエックさんと収穫したソルガム(ルアル種)

アジュオック・オキエックさんと収穫したソルガム(ルアル種)

中には64.5キロのソルガム(ルアル種)を収穫したオジュウォック・アヲンさんもいた。ケニア人のサバイバルキット フィールド・アドバイザーのファヌエル・アドウェラに聞いたところ、同じ村でも収穫に差が出ているのは、土壌の種類、土地の傾斜、種まきの時期などによるところが大きいとのこと。

収穫したソルガム(ルアル種)とオジュウォック・アヲンさん(右端の男性)

収穫したソルガム(ルアル種)とオジュウォック・アヲンさん(右端の男性)

来年1月より、森林地域に蒔かれたソルガム(アゴノ種)の収穫が始まる。収穫に先駆け、来週よりサバイバルキット事業のスタッフとともに森林地域の畑を回り、浸水の影響を確認するとともに、収穫予測をする予定だ。

[i] ソルガム・アゴノ種、ソルガム・ルアル種、カボチャ種子、ゴマ種子、ササゲ種子。
[ii] マローダ(伝統的な耕起のための農具)、鉈(なた)、鎌。
[iii] 漁網製作用ナイロン糸2巻、釣り針20ヶ。
[iv] 被害の程度は、土壌の種類、土地の傾斜、種まきの時期などにより異なる。

この記事を書いた人

伊藤真理
伊藤真理支援事業部 緊急人道支援課 課長
大学でスワヒリ語(東アフリカの言語)・アフリカ地域学を学んだ後、在ケニア日本大使館において在外公館派遣員として勤務。そこで、ストリートチルドレンへのボランティアを経験したことから、困難な状況にある子どもたちへの支援がライフワークに。留学、タンザニアでの協力隊を経て、2003年2月よりワールド・ビジョン・ジャパンに勤務。リベリア、スーダン、南スーダン駐在を経て、2010年5月より東京事務所勤務。現在、緊急人道支援課長。関西に住む3人のかわいい甥っ子・姪っ子たちの成長が元気の源。
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