【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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幼稚園や保育園で「当たり前」を考える

皆さんは、幼稚園に通っていましたか?それとも、保育園に通っていましたか?
そして、幼稚園や保育園で好きだった遊びや楽しみだったこと、もしくは嫌だったことは、ありますか?
僕は、保育園に通っていたのですが、みんなで行く散歩や保育園で飼育していたニワトリにエサをあげることが楽しみな一方、毎日の昼寝が大嫌いな子どもでした(笑)。

あらためまして、こんにちは! コミュニケーション課の菅野快です。
小学校や中学校、高校、大学、そして幼稚園や保育園で、世界の子どもたちについてお話するグローバル教育を担当しています。グローバル教育には、ワールド・ビジョン・ジャパンのスタッフが授業を行う講師派遣、オフィスにお越しいただく事務所訪問の2つがあり、皆さまのご希望にそって実施しています。

幼稚園で水について話す筆者

幼稚園で水について話す筆者

幼稚園や保育園でのグローバル教育

幼稚園や保育園では、水や食料のこと、なかには「子どもの権利」難民のことなど、幼稚園や保育園の先生からいただいたご依頼をもとに、先生と一緒にプログラムを決めていきます。
テーマは様々ですが、どのようなテーマでも、根底にあるメッセージが大きく2つあります。それは、日本の生活が世界の当たり前ではないこと、そして、全く同じ瞬間に生まれたとしても、たまたま生まれた場所が違うだけで、将来の可能性や選択肢が決まってしまうことです。

日本の幼稚園や保育園では、遊んだり歌ったり、みんなでお昼ご飯を食べて、蛇口をひねれば、すぐに清潔な水が出てくるのが当たり前かもしれません。その一方、途上国には、十分なご飯がなく、水を手に入れるのに何時間もかかる人もいます。なんと、世界では安全に管理された飲み水を使用できない人たちが20億人もいるという統計もあります 。

授業を通じて、自分のほうが園児の皆さんから、学ばされることも多いです。
何よりすごいと思うのは、「違う人の立場になって、共感する力」です。

幼稚園や保育園で授業をする前は、日本で生活している園児の皆さんが、発展途上国で暮らす子どもたちについて考えるというのは、簡単なことではないし、「聞いてくれるのかな…?」と少し不安に思っていました。しかし、想像していたより真剣に話を聞いてくださる園児さんが多く、用意した資料やスライドを食い入るように見てくれる子もいます。
また、「開発途上国の子どもたちの立場になって考えてみよう」と呼びかけたときは、自分のこととして想像し、共感してくれていることが、ひしひしと伝わってきます。

授業の後、園児さんのなかには、ご飯を残さないようになった、水を大切にするようになった子どももいると、先生からお声をいただくこともあります。
水や食料があることが当たり前ではない、ということに園児の皆さんも気づいてくださったのだと思います。

冒頭に「幼稚園に通っていましたか?保育園に通っていましたか?」という質問をしましたが、幼稚園や保育園に通えるということ自体、当たり前ではありません。このことは、グローバル教育の講師派遣で授業をする機会を通して、あらためて気がつきました。

衝撃を受けた、子ども兵という存在

自分のなかの当たり前が崩れたのは、子ども兵 について知った小学生のときです。僕にはNGOで働いていた姉がいるのですが、戦争を取り上げたドキュメンタリーを姉と何となく観ていた時、「快と同じくらいの子が戦争に行かなきゃいけないこともあるんだよ」ということを聞かされました。

何となく観ていた戦争のドキュメンタリーが急に現実味を帯び、自分に差し迫ってきました。きっとどこかで、戦争は大人がするもので、子どもには関係ないと思っていたのかもしれません。

それと同時に、「自分が学校へ行っている間、戦場へ行っている子どもがいるのか」、「自分が日本でない国に生まれていたら、自分も戦場へ行っていたかもしれない」、「たまたま生まれた場所が違うだけで、自分には学校や習い事などの選択肢があるのに、子ども兵には戦場へ行く選択肢しかないなんて、そんなことが許されていいのか」といったことを考えながら、衝撃を受けました。そして、大人の都合で、戦場へ駆り出される子どもがいるという理不尽さに、怒りと悲しみが入り混じった、初めての感情を覚えました。

このブログを読んでくださっている方も、ご自分の過ごした一日を振り返りながら、「世界では当たり前なのかな」と考えていただくと、いろいろな発見があるかもしれません。

グローバル教育について

ワールド・ビジョン・ジャパンでは、小学校から大学までの学校はもちろん、幼稚園や保育園、そのほか団体様で、ご依頼にもとづき、グローバル教育をお届けしています!

小学校の体育館でお話することもあります

小学校の体育館でお話することもあります

生徒の皆さんと一緒に考えながら授業します

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対面やオンライン、講義形式、水くみ体験のような体験学習、グループワークなど、ご希望にそって柔軟に対応いたしますので、お気軽にお問合せください。
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ブログをお読みいただき、ありがとうございました!

SDGsについての教材を準備する筆者(左)

SDGsについての教材を準備する筆者(左)

マーケティング第1部 コミュニケーション課
菅野 快


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この記事を書いた人

WVJ事務局
世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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