【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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サマースクールで届けたい、もうひとつのメッセージ

皆さん、こんにちは。コミュニケーション課の松本です。

新型コロナウイルスの影響を受け、私が担当するグローバル教育の取り組みも大きな変化がありました。学校を訪問し、授業をさせていただく「講師派遣」のご依頼は激減。児童生徒の皆さんをワールド・ビジョン・ジャパンのオフィスにお迎えする「事務所訪問」のお申込みは、ほぼゼロとなりました。

毎年実施してきた小学生向けイベント「ワールド・ビジョン・サマースクール」も、昨年からオンラインでの実施となっています。

画面越しに中学生の皆さんに話しかける筆者

画面越しに中学生の皆さんに話しかける筆者

今だからこそ、日本の子どもたちに伝えたいこと

今年のサマースクールのテーマは、「新型コロナウイルス感染症と世界の子どもたち」に決めました。コロナ禍の今だからこそ、そして世界約100カ国で子どもたちのために活動するワールド・ビジョンだからこそ、届けたいメッセージがあります。それは、「みんなでコロナを乗り越えよう」という希望のメッセージです。

日本でも、たくさんの子どもたちが新型コロナウイルスの影響を受けていることと思います。むしろ、ウイルスそのものよりも、社会の大きな変化や混乱の影響を受けているのではないでしょうか。学校が突然お休みになったり、お友だちと遊べなくなったり、楽しみにしていた運動会や修学旅行が延期になってしまったり。学校の存在が生活の大きな割合を占めていた子どもたちにとって、それはどんなにショックの大きいことでしょうか。

そして、テレビやインターネットのニュースからは「今日の感染者数は・・・世界の死亡者数は…」といった情報が毎日流れてきます。「いつになったら落ち着くのかな」「もう元の生活には戻れないってニュースで言っているけれど本当なのかな」 先が見えなくて不安になるのは、大人も子どもも同じだと思います。

世界中の誰一人抵抗力を持たない中で一気に広がった新しいウイルスに対して何が「正解」は分かりませんが、「最善」を探してみんなが走り続けています。

子どもたちは、一斉休校をはじめ、大きな社会変化の影響を受け、心やからだに変化が出ているという小児科の先生方からの警鐘も聞かれます。

社会全体を覆う不安という雰囲気が子どもたちを飲み込んでしまうことのないように、何か少しでも「希望を」届けたい、そんな想いを込めて、今年のサマースクールのテーマを設定しました。

パートナー企業様とのコラボレーション

また、「みんなでコロナを乗り越えよう」という希望のメッセージを選ぶことができた背景には、素晴らしいパートナー企業様の存在があります。今年のサマースクールでは、昨年に引き続き、国内製薬大手、塩野義製薬株式会社様とのコラボレーションが実現しました。企画立案からご一緒くださっているのはCSR推進部感染症グループの社員様。まさに、感染症対策の専門家の方なのです。

塩野義製薬社員による正しい手洗いレクチャー(ワールド・ビジョン・サマースクール2019)

塩野義製薬社員による正しい手洗いレクチャー(ワールド・ビジョン・サマースクール2019)

こんなに素晴らしい方に協働していただき実現可能となるプログラムは、「子どもたちのための新型コロナウイルスについての情報発信」です。新しく、未知の病原体による感染症との闘いは、大人も初めての体験です。

このウイルスのことを、「子どもたちのために、子どもたちに分かりやすい言葉で、専門家が伝えてくれる」。このことが、子どもたちの心の中や社会全体を覆っている不安な雰囲気を取り除くことにつながると考えました。

もちろんすでにご家庭や学校等でも子どもたちに向けた情報発信がされていることと思いますが、サマースクールでは楽しく学びを深めてもらえるよう「コロナのウソ?ホント!」と題したクイズを用意しました。

新型コロナウイルスについて、「よく分からないから、こわい」という状態を抜け出し、「なぁんだ、コロナウイルスって、じつは〇〇の仲間なんだ!」「ワクチンって、こうやって体の中で働くんだ!」と理解を深めてもらうことによって、子どもたちの不安が1ミリでも軽くなったらと願っています。(「〇〇の仲間」の答えは、サマースクール当日クイズで紹介しますので、お楽しみに!)

グローバル教育を一緒に担当している菅野スタッフと(右が筆者)

グローバル教育を一緒に担当している菅野スタッフと(右が筆者)

もうひとつのメッセージ

そして、もう一つ、今回のイベントに仕込んだスペシャルなコンテンツは(←私の中では、「とっておき」です)、参加してくださる小学生の皆さんと一緒に手洗い啓発ポスターを作成し、塩野義製薬株式会社様が2015年から実施してくださっている母子保健事業「Mother to Mother SHIONOGI Project」の事業地であるケニアの子どもたちへ届けるというもの。

サマースクールに参加してくださる小学生の皆さんに、「新型コロナウイルスを終息させるために、皆さんにもできることがありますよ」というのがサマースクールで届けたいもうひとつのメッセージなのです。これを「Mother to Mother SHIONOGI Project」に続く「Child to Child Project」と呼んでいます。

参加してくださる小学生の皆さんがケニアの子どもたちとつながるという夏休みの素敵な経験にしてもらえたらと思い、この企画を考えました。

世界にたったひとつのデザインのポスター、しかも自分の写真とメッセージが入っているポスター。これは、ケニアの子どもたちに正しい手洗いを教えてあげるという「上から目線」ではなく、コロナ禍をともに生きる同世代として、「みんなでコロナを乗り越えよう」という励まし合いです。そして、ポスター作りを通して、「自分がコロナに感染しないといいな」ということだけではなく、ケニアの子どもたち、さらに世界中の子どもたちや人々の命が守られるようにという想いが広がることを願っています。

このように小学生もコロナ終息に向けて役割を果たし、世界に目を向け、互いに励まし合い、サマースクールに参加してくださる皆さんの気持ちが参加前と比べてほんの少しでも希望に向かうことを心から願っています。

皆さんのご参加をお待ちしています!

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マーケティング第1部 コミュニケーション課
松本 謡子


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松本スタッフの過去のブログ:
グローバル教育レポート:サマースクール参加者の「その後」
グローバル教育レポート:あの人は今
「今、私にできること」~あなたの「え!?」が聞きたくて~

この記事を書いた人

WVJ事務局
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