【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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初のアフリカ大陸

※このブログは、2015年3月にルワンダの支援地訪問ツアーに参加くださったチャイルド・スポンサーの方が書いてくださったものです。

国際協力的なボランティアを始めて15年、アフリカへ行ってみたいというのが私の夢でした。

ルワンダの支援を始めたのは、以前に見た「ルワンダの涙」や「ホテル・ルワンダ」の映画を見て大変なショックを受けたことがきっかけです。私が気になっていたのは、子どもたちはちゃんと教育が受けられているだろうかということと、ジェノサイド(大量虐殺)後の社会情勢でした。

チャイルドのエマニュエル君と

チャイルドのエマニュエル君と

私がチャイルド・スポンサーシップを通して、ルワンダのエマニュエル君と出会ったのは4年前、その時彼は8歳で学校へは行っていませんでした。その後学校へ行き始め、今は小学校の2年生です。今回の訪問では、民族の踊りを披露してくれ、サッカーが大好きだと教えてくれました。

水汲みに2、3時間かかり、そのために学校へ通えない子もいると記事で読みましたが、学校には水タンクが備え付けられ、水の確保が進んでいました。井戸や水道管の設備も進められているようです。しかし、乾期の水確保はまだ難しく、近くの湖まで汲みに行くそうです。

地域の小学校を訪問しました

地域の小学校を訪問しました

そのほか教室の増設や机などの設備も私たちの支援によって進められていました。車で道を走っている時も、学校から駆け出して手を振ってくれる子どもたちの顔はとても元気そうでした。

次に、ジェノサイドのことです。今回行って感じたのは、ルワンダの人たちはとても温和で礼儀正しいことです。20数年前に残虐な出来事が起こったというのは本当に信じられないぐらいです。 間違った政治的な思想が、いかに人々を間違った行動に駆り立てるか、その一つの恐ろしい事例だと思います。

1994年4月から、3カ月で約100万人の人々が虐殺されました。(当時のルワンダの人口が約730万人)1918年~1962年までのベルギー統治時代にツチ族とフツ族に分けられ、その時から二つの民族間で政治的な摩擦が起こり始めます。

独立後、政権がフツ族に移ってから、その抗争が大きくなり、ついに1994年の大虐殺が始まりました。ラジオ等でツチ族の悪いうわさを流し、人々を洗脳していったという話を聞きました。村の中では、隣同士で住んでいても虐殺が起こったそうです。また、教会などに避難しても虐殺の手は襲ってきたそうです。

ところが、この20年間の間に、ミラクルだと言われる程の、国をあげての再構築が進められています。今では、ツチ・フツという分け方もなくなり、それを口に出して聞くことも禁じられています。 何より、殺し殺された人たちのお互いの心のケアと許し合うことによる前進をみんなの力で進めようとしている力強さに感心しました。

平和の木プロジェクト・「平和の木」プロジェクト
加害者と被害者が和解できるためのワークショップを根気強く続け、気持ちを声に出すことで相手を許し、加害者も相手に対して償いの気持ちが生まれるようにしていきます。被害者の家に木を植えることで、加害者がその木を育て、毎日顔を合わすことで繋がりを続けます。

今では、被害者のことを家族だと思って接しているという話を直接加害者から聞きました。憎しみを和解に変えるということは、そんなに簡単にはできないことです。大人の気持ちをここまで変えて行くこの取り組みはとても精神力がいる活動だと思いました。 「大人が和解する姿を子どもたちに見せることで、次の平和が生まれてくるんだ」という言葉に感動しました。とても力強く、心の広い言葉です。

ジェノサイド記念館内にある被害者の写真。被害者の家族などが訪れ、ここに写真を残していきます

ジェノサイド記念館内にある被害者の写真。被害者の家族などが訪れ、ここに写真を残していきます

・キガリのジェノサイド記念館
ここでは、25万人が埋葬されています。このような記念館は各地にあります。 ほかの場所のジェノサイド記念館でも8000人の遺体が埋葬されている地下室に入りました。過ちを二度と起こしてはならないという重い空気を感じました。

コミュニティーワーク・月1回、土曜日に行われているコミュニティワーク
平和を守るため、店も閉じて、国民みんなで清掃をします。その後、平和に関するワークショップ。
私たちもそのコミュニティワークに参加し、ジュノサイド記念館の清掃をしました。鎌を使っての草抜きは、なかなか大変でした。この場所でも3000人が殺されたそうです。

大統領の支持率が90%を超え、ほんとうにみんなが平和を目指し生活していることが毎日の活動で実感できました。「人を許さなければ前に進めない」という言葉も、今の自分にも大きな言葉でした。

チャイルド・スポンサー 長谷川 真澄

●チャイルド・スポンサーの支援地訪問ツアーについて詳しくはこちら

 

この記事を書いた人

WVJ事務局
世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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