ネパールに向かう機内でたまたま隣に乗り合わせたカトマンズ市内在住のネパール人、バタライ夫妻とお話しする機会を得た。彼らは現在オーストラリアに住む息子さんの結婚式に出席した帰りとのことであった。
ご主人のミトラさん(59歳)は、「無事の息子の結婚式も無事に終わり、残りの滞在期間を楽しんでいたところに今回のニュースを聞いたんです。家で末の娘が留守番をしていたので彼女のことが大変心配でした。震災発生当初は電話がつながりにくかったものの、何とか彼女の無事を確認することができました。幸いにも私の家には被害がなかったようですが、カトマンズの街や被害を受けた地域がどうなっているのか、今から不安です」と話してくれた。
私が緊急支援のためにネパールに向かっていると知ると、ミトラさんは私にホテル予約の有無など滞在にかかわることを心配してくれた。そして「この震災でつながりにくいから」と、自分の娘さんの携帯番号を含めて3つも連絡先をくれ、「なにかあったらいつでも連絡ください。食事でも何でもご馳走しますから」とまで言ってくれた。
自分の国が大変な状況の中で、そこに支援に来る人たちのことを心から心配する – 4年前の東日本大震災の被災者の方にいただいた温かい気持ちを、大震災のただ中にあるネパールの人からももらったような気がした。
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この記事を書いた人
- 大学院修了後、一般企業を経て、2000年12月より外務省NGO専門調査員としてWVJに勤務。2001年8月より2年間、国連ボランティアとしてケニアに派遣され、主に難民支援に従事。2003年11月から再びWVJにて緊急支援を担当し、スマトラ沖大地震、ハイチ大地震等に対応。東日本大震災では震災直後から7月末まで被災地支援の第一線で活動した。10月からは、南アフリカへ渡りWV南部アフリカ地域事務所で緊急支援アドバイザーとして勤務。2013年10月よりWVJ支援事業部 開発事業第3課 課長。2017年9月退団。
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