ハイチに到着して3日目の1月20日。そこかしこに無残な姿をさらす、倒壊した家屋から出てくる粉塵のおかげでやたらと埃っぽい町並を走り、地震で被災した人たちが避難生活をしている公園や運動場に訪れました。
避難生活をしている人たちが実際にどこに、どんな様子で避難生活を送っているか、またどんな支援が必要なのかを調査するためです。
もともとハイチは中南米でも最も貧しい国のひとつです。さらに今回の地震によって持ち物をなくした被災者のこれからを考えたとき、支援を届けるために必要とはいえ、人生の中でも最も辛い時を経験している人たちから話を聞かなくてはならないというのは、正直気が進ものではありません。
実際話を聞いてみても、もともと少ない食料を互いに分け合って何とか暮らしている、十分な水もない、雨露をしのぐ場所もない、と皆が教えてくれました。まだまだ支援が十分でないことが実感として伝わってきます。
地震から10日あまり、人々は家族や家をなくした悲しみに暮れるあいだも、生活という現実は離れていくことはありません。
絶望で一日を終えてしまうことがないように、明日への希望を持ち続けることができるように、ワールド・ビジョンをはじめとした人道支援団体は、支援を受ける被災者の方々のためにできうる努力を今日も続けています。
この記事を書いた人
- 大学院修了後、一般企業を経て、2000年12月より外務省NGO専門調査員としてWVJに勤務。2001年8月より2年間、国連ボランティアとしてケニアに派遣され、主に難民支援に従事。2003年11月から再びWVJにて緊急支援を担当し、スマトラ沖大地震、ハイチ大地震等に対応。東日本大震災では震災直後から7月末まで被災地支援の第一線で活動した。10月からは、南アフリカへ渡りWV南部アフリカ地域事務所で緊急支援アドバイザーとして勤務。2013年10月よりWVJ支援事業部 開発事業第3課 課長。2017年9月退団。
このスタッフの最近の記事
- アジア2015年5月7日ネパール地震緊急支援 その2 機上でのこと
- アジア2015年5月6日ネパール地震緊急支援 その1 ネパールまでの道のり
- 中南米2010年2月1日調査にて – ハイチより
- 中南米2010年1月21日絶望に終わらないように – ハイチより