今回は、なぜ南スーダンにいる難民を支援して頂きたいと思ったかについて、お話いたします。
•深刻な栄養不良の子どもの割合31%[1]、
•初等教育の就学率34.7%[2]、
•15歳以上の識字率27%[3]、
•乳児死亡率1,000人に対し105人[4]。
南スーダンの統計はどこを取っても、世界最低水準です。だからこそ、私にとって、とてもショックだったこと。
それは・・・、
生きていくことさえ困難な南スーダンに、命の危険を感じ隣国から逃れてきた難民が26万人以上もいることです。
以前勤めていた団体で、初めて南スーダン支援に関わったとき、自国より南スーダンの方が「少しでもより安全」と感じる難民の方々が大勢いることを、恥ずかしながら私は全く知りませんでした。
私が、スーダン・南スーダンという国を知ったのは、南スーダンがスーダンから独立するずっと前、私が学生だった時です。
その頃、スーダンの内戦は「世界最悪の人道危機」と呼ばれており、「世界最悪」というフレーズとテレビなどで見る残虐なイメージが強く印象に残っていました。そんな印象が消えないまま、2011年に南スーダンが独立し、世界で一番新しい国・南スーダンへの復興支援が注目されるようになりました。
今、残念ながら紛争が再発し、日本でも自衛隊が派遣されている国として、ニュースなどで南スーダンという国名を耳にする機会が増えました。
しかし、隣国から南スーダンに逃れてきた難民の置かれている過酷な状況が、世界的に注目されることは、今もほとんどないように思います。
私も以前そうであったように、南スーダンに逃れてきた難民の存在を知らない方も実は多いのではないでしょうか。
だからこそ、注目されないけれど命が脅かされ逃げてきた南スーダン国内に暮らす難民の命を守るために、迅速な支援を届けなければならないと強く思っています。
支援を届けることは、まず支援を必要としている人がいることを「知ること」から始まります。足りないものを挙げたらきりがないほど、何もかもが不足している南スーダン。
大人も子どもも、生きるために必要な物資や環境が整うように、皆さんもぜひ、ワールド・ビジョン・ジャパンとともに支援にご参加いただけませんか?
[1] UNICEF, Situation Assessment of Children and Women in South Sudan, 2015.
[2] Ibid
[3] World Bank, South Sudan Overview, 2016. http://www.worldbank.org/en/country/southsudan/overview
この記事を書いた人
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大学卒業後、民間企業に2年間勤務したのち、NGOのキャンペーンスタッフやインターンとして開発支援に関わる。
その後、一般社団法人での南スーダン能力開発プロジェクトのコーディネーターを経て、2015年7月にワールド・ビジョン・ジャパン入団。
南スーダンの教育支援事業とWFP(国連世界食糧計画)の食糧支援事業を担当。
2020年2月家庭の都合により退団。2021年7月に再入団。マーケティング第2部サービス開発課に所属。
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