毎年10月15日は、国連で定められた、世界手洗いの日だ。
世界中で命を落とす子どもたちのかかる病気の多くは、手を石鹸で洗う、などの非常に簡単な方法で防げるものだ。
不衛生な環境にいるため、下痢など、水因性の疾病のために命を落としている子どもたちが年間約170万人いると、国連児童基金(UNICEF)は統計を出している。シンプルな手洗いという方法で、子どもたちの命を守るために、10月15日は、2008年から毎年、世界中で手洗いの大切さを訴える日になっている。
今年は私たちの事業地であるファショダ郡でも、手洗いの日にちなんでキャンペーンを行うことにした。(今年はイスラム教の休日であるイードが15日にあたるため、日にちをずらして16日に行った)
手洗いの日で、主役になるのは子どもたちだ。当日は休み明けでもあるし、雨季でもあるので、集まってくれるかちょっと不安だったが、小学校で開催したキャンペーンでは、天気もピカピカに晴れて、たくさんの子どもたちが集まってくれた。
キャンペーンの中で、保健省の職員が、手洗い仕方のデモンストレーションを始めると、私も、と女の子が出てきた。あれよあれよと、子どもたちが水を入れる容器と石鹸を取り囲み、皆で一緒に楽しい手洗いができた。
また、ファショダ郡には、「キルドー」という、(シルック語で「ファショダの星」)いけてる若者の伝統舞踊グループがあるのだが、今回快く協力してもらい、手洗いの大切さを歌にして、踊ってもらった(動画参照)。
歌詞は現地のシルック語で分からないが、大体の意味で「手を洗おう、綺麗な手なら下痢や病気にならない」という感じだったらしい。子どもも大人も、大興奮で踊るさまを見ていると、お願いしてよかったなぁと思った。
キャンペーンのあと、「楽しかった?」と聞くと、子どもたちが頷いてくれたので、嬉しくなった反面、「石鹸で手洗ってね」と念押しすると、「石鹸がうちにはない」「石鹸があれば洗うけど」という声も聞こえてきて、子どもだけではなく、家計を切り盛りするお母さんや、お父さん、学校などの場面でも、石鹸を買う余裕が無かったり、あまり重要性を認識していなかったり、まだまだ環境を少しずつ良くしていくには、道のりが長いな、と思わされた。
子どもたちが、一人でも健やかに毎日を過ごせますように。
この記事を書いた人
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イギリス、マンチェスターメトロポリタン大学にて政治学部卒業。
大学在学中にWFP国連世界食糧計画にてインターン。
2010年9月より支援事業部 緊急人道支援課(旧 海外事業部 緊急人道支援課)ジュニア・プログラム・オフィサーとして勤務。2012年9月よりプログラム・オフィサーとして勤務。2016年7月退団。
趣味:読書、映画鑑賞、ダイビング
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