5ヵ月ぶりに南部スーダンに行ってきました。
今回は、ワールド・ビジョン・ジャパンが今年5月から行っている帰還民、社会的弱者及び帰還先コミュニティ支援プロジェクト(アッパーナイル州マニョ郡)のモニタリング(中間管理)、女性と青年の生計支援プロジェクト(ユニティ州ルーウェン郡、マイェンディット郡)の終了確認が目的です。
ですから、女性、子ども、青年から話を伺う機会がたくさんありました。
支援プロジェクトの人々に少しずつ変化が見られましたので、支援しているグループにインタビューしました。
①ジャム・ジャム女性グループ(ユニティ州ルーウェン郡ジャム・ジャム)へのインタビューより
女性と青年の生計支援プロジェクトのひとつの成果は、特に社会的立場の弱い女性たちが生計に関わる技術を身に付け収入を得ることができるようになることです。
ワールド・ビジョンからどのような支援がありましたか?
ワールド・ビジョンからミシン5台と製粉機1台の支援があり、洋裁と経営の基礎知識(帳簿のつけ方、製粉機や洋裁からの収益の使い方など)についての研修を受けました。
グループではどのようにものごとを決めていきますか?将来のプランは?
グループのメンバー20人が集まって製粉場からの収益をどのように使うか、話し合って決めています。
製粉機が壊れた場合には、グループが承認してから、製粉場からの収益で職人を雇い、修理をしてもらっています。製粉機が壊れたからって、ワールド・ビジョンに修理をお願いするわけにはいきませんから。
また、最近は収益をグループで耕した農場に投資することもしました。
将来、もう一台製粉機を買いたいと思っています。
②カカ子どもグループ(アッパーナイル州マニョ郡カカ)へのインタビューより
マニョ郡では、飲食店の手伝いをしたり、ロバに水用タンクを乗せて水を売ったりして、学校に行けない子どもたちが多いので、帰還民、社会的弱者及び帰還先コミュニティ支援プロジェクトでは、子どもたちが子どもらしく育つように、子どもたちに絵、歌を通して平和教育や子どもの権利についての研修を行っています。
子どもグループから何を学びましたか?
毎週土曜日に、みんなで集まって、子どもの権利や平和の大切さについての歌を学んだり、絵を描いたりしています。
子どもグループに来ていない子どもたちに何を話していますか?
学校や子どもグループに来ていない子どもたちに学校やグループの集まりに来るように歌を歌って励ましています。
子どもグループに来ていることについて、お父さん、お母さんはなんて言っていますか?
土曜日なので、最初はグループで集まることについていろいろ質問してきましたが、平和の尊さについての歌を歌っているって言ったり、歌って聞かせたりしてから何も言わなくなりました。
③カカ水管理委員会、衛生ボランティア、住民(アッパーナイル州マニョ郡カカ)へのインタビューより
支援が始まる前は、地域ではナイル川の水を飲料水、生活用水として使っていましたので、汚い水が原因の病気が蔓延していました。
支援プロジェクトでは浄水装置を作るとともに、地域の人々が浄水装置を管理し、運営していくことが出来るように地域の人々で水管理委員会を組織し、研修を行いました。
またひとりひとりが衛生に気をつけていけるように衛生教育キャンペーンを行ったりしています。
支援プロジェクトについて話をしてくださいますか?
生まれて初めてきれいな水を飲むことができるようになりました。
浄水装置でろ過した水を飲み始めてから、この地域で下痢にかかった話は聞いたことがありません。
水管理委員会は浄水装置の維持について研修を受けました。
ですから、私たちで、浄水装置の周囲に柵を作りました。
衛生教育キャンペーンが始める前には、汚い水汲み用容器を使っていましたが、今ではちゃんときれいに洗って、浄水装置から水を汲んでいます。
トイレの後には手も洗うようになりました。
この記事を書いた人
- 大学でスワヒリ語(東アフリカの言語)・アフリカ地域学を学んだ後、在ケニア日本大使館において在外公館派遣員として勤務。そこで、ストリートチルドレンへのボランティアを経験したことから、困難な状況にある子どもたちへの支援がライフワークに。留学、タンザニアでの協力隊を経て、2003年2月よりワールド・ビジョン・ジャパンに勤務。リベリア、スーダン、南スーダン駐在を経て、2010年5月より東京事務所勤務。現在、緊急人道支援課長。関西に住む3人のかわいい甥っ子・姪っ子たちの成長が元気の源。
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