現在ワールド・ビジョンでは命の木プロジェクトとして「まず5才までの命を」というキャンペーンを行っています。世界では、5才に満たない命が年間約690万人も失われています。
私がベトナムで担当している「ディエンビエン省における妊産婦・新生児の健康改善事業」でも上述の5才までの命を救うために日々活動を行っています。
当事業では、ベトナム北西部に位置するディエンビエン省という少数民族の多く住む山岳地域で、妊産婦と新生児を対象として、安全なお産ができることを目標としています。
ベトナムでの5才未満児死亡率は1000人あたり23人(ユニセフ世界子供白書2012)となっており、日本の3人に比べると約7倍です。
今年は事業開始一年目ですが、地域の病院や保健センターの改修と出産に必要な資機材(分娩台や保温器、新生児ベッドなど)の提供、医師や助産師へのトレーニングを行っています。
また少数民族の文化的背景からも自宅出産が主ですが、母親や家族に対して保健施設でのお産を推奨し、出産前健診を最低3回受けようと進めています。そのためにキャンペーンを行なったり、家庭訪問を行い、文字の読めない女性たちにも、わかりやすく説明しています。
私たちの事業活動では、直接乳幼児の命を救うわけではありません。それでも保健施設の受け入れ態勢を向上させ、お母さんや家族の意識に変化が起これば、それは乳幼児死亡率を下げる一歩になると信じています。
大切な命を守りたいと思っているのは、ベトナムのお母さんたちも同じです。
この記事を書いた人
- 大学院在学中にフィリピン留学をし、ストリートチルドレン保護のNGO活動に参加する。大学院修了後、他NGOにてタイ、ラオス事業を担当し地域開発に関わる。その後モンゴル駐在にてマンホールチルドレン保護事業、リベリア駐在にて帰還民支援事業などに従事する。2011年1月にワールド・ビジョン・ジャパンに入団し、支援事業部 緊急人道支援・グラント事業課 アジアチーム所属。2011年1月~2012年4月まで、ソロモン諸島に駐在。2012年11月から2016年6月まで、ベトナムに駐在。
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