【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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南スーダンの食べ物事情(アッパーナイル編)

前回水がない話を書いたが、凝りもせず食事ネタである。
どれだけ食意地がはってるのかは置いておいて、こちらでの食生活は面白いので、少し紹介できればと思う。

食糧を得ることができるだけでも感謝なことだが、正直日本の豊かな食生活に慣れた者にとっては、シンプルな南スーダンの食生活に慣れるまでに若干時間がかかる。

マラカルの街並み

マラカルの街並み

はっきり言ってしまえば、バリエーションがないのだ。マラカルで住んでいるチームハウスには、東アフリカから来たスタッフが多くいるため、また料理をしてくれる人もケニア人のため、メニューが自然とケニアチックになる。基本チャパティ(パンケーキのようなもの、ケニア風のは少々油っぽい)やウガリ(トウモロコシの粉末を練ったもの)をメインに、豆や肉の煮込み(大抵トマト風味)、揚げた魚、緑の野菜(詳細不明)などを食べている。

嫌いなわけではない。むしろ感謝しておいしくいただいているのだが、外の気温が30度を超えている真っ昼間に、(お昼時間は発電機が切れているため)エアコンもなく、熱々のウガリと豆の煮込みを汗を流しながら食べていると、どうしても「冷やしとろろうどん」とか「冷やしざるラーメン」とかのほうが、よほど魅力的に思える時もあるのだ。「生きるために」と呪文のように唱えながら(そして同僚に半ば無理を強いられながら)、豆にがっつく日々である。

マラカルではこのような食生活だが、フィールドに行くと、また少し違った食べ物に出会える。
ここで、先日フィールドでであった食べ物を紹介したい。

写真①

写真①

私たちが現在事業を行っているのは、南スーダンの北部、アッパーナイル州のファショダ郡、というところだ。アッパーナイル州は、地理的にスーダン(北)に近いことから、アラビア文化の影響が強く残る地域でもある。そのため、食事もアラビア風なことが多い。

朝は、たいてい市場のお茶屋さんに行き、砂糖たっぷりの紅茶に、アラビアパン(ピタのようなもの、当たり前だが焼き立てが一番おいしい)を食べている。ちなみにマイブームは、「ムグリグ」と呼ばれる、ミルクと砂糖を混ぜた紅茶。濃くておいしくてお腹にたまる。

昼ごはんや夕ご飯の区別は、いまいちはっきりしていないのだが、先日お呼ばれした時に食べた食事が(写真1)のようなものだ。
基本的に肉を炒めた物、豆を煮こんで油と生玉ねぎで和えた物(半端ない量の油で和える。少なくなると継足しに来る)、肉が溶けるまで煮込んだスープ(豚骨風な味がする)、塩と唐辛子、パン、というメニューだが、それを4~5人でシェアして食べる。シェアして食べるのもアラブ風だなぁと思う。ちなみに文化的なものか分からないが、食べ物の多くが油っぽい。油も、牛乳を分離させて作った油で、どちらかというとこってり気味である。

ファショダ郡においては、ナイル川の恩恵を受けて、大きなテラピアも捕れる。

ファショダ群の夕暮れ

ファショダ群の夕暮れ

大抵の場合、朝捕まえて、夕方に油で揚げられた状態で市場に売りに出されている。人々は夕方にその場に集まり、(電気がないため)懐中電灯で魚を照らしながら、「このサイズだといくら」と値段交渉をして魚を買い求める。そして虫がよってくるため、基本的には食べる時は懐中電灯をつけず手さぐり状態で食べている。川魚はあまり食べたことがなかったのだが、テラピアはとてもあっさりしていて、おいしい。煮込みもあるが、やはり素揚げで塩をかけて食べるのが一番おいしい。

最後に、個人的に最近ヒットだと思った食べ物を紹介したい。オクラの煮込みである(写真2)。
オクラをひたすら煮込みシチューにし、そこに肉の塊を入れてさらに煮込んだもので、見た目は決して食欲をそそるものではないが、これを米にかけて食べると、一瞬納豆ごはん(もしくはトロロごはん)の錯覚が得られる。食べなれたオクラ独特の味も残りつつ、懐かしい思いに浸れるお得なメニューである。南スーダンに来る機会がある際はぜひ試していただきたい。

ということで、少しアッパーナイルでの食生活を紹介してみた。

写真②

写真②

南スーダンというと、課題の多い国で、危なさそう、しんどそう、というイメージを持たれていて、確かにその通りなのだが、どんな所にも小さな幸せはあるし、どんな所にも日々の営みがある。報道でよく聞く「南スーダン」も、この国の一部であるが、その一方で、拍子抜けするほど明るい人々や、のんびりした空気、ナイル川の美しさや、雄大さもしっかりと存在する「南スーダン」の一部である。

駐在員としての視点は、南スーダンの人々のそれとはまた違うのだが、報道ではあまり(というかほとんど)出てこない、南スーダンでの生活を、これからできる限り伝えていければなぁと、ぼんやり思っている。

この記事を書いた人

國吉美紗
國吉美紗プログラム・オフィサー
イギリス、マンチェスターメトロポリタン大学にて政治学部卒業。
大学在学中にWFP国連世界食糧計画にてインターン。
2010年9月より支援事業部 緊急人道支援課(旧 海外事業部 緊急人道支援課)ジュニア・プログラム・オフィサーとして勤務。2012年9月より、2016年7月までプログラム・オフィサーとして勤務。
趣味:読書、映画鑑賞、ダイビング
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