教会担当コーディネートの長下部です。
私の業務の一つは、教会やキリスト教系諸団体の皆さまに、世界のこどもたちの現状やワールド・ビジョンの活動についてご紹介することです。日曜日の教会の礼拝、子どもたちの教会学校、ユースグループなど、様々な場所に呼んでいただいています。いわば、世界の子どもたちのための祈りの輪を広げるための仕事だと思っています。
しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大のために、これまでのように皆さまに直接お会することが難しくなりました。
そこで、カンボジアのチャイルドを支援してくださっている教会の子どもたちを対象に、カンボジアに駐在する松岡スタッフから、現地の子どもたちの状況やワールド・ビジョンの取り組みについてお話を聞くオンラインイベントを企画しました。
しかし、教会担当コーディネートのイベントとしては新しく、試行錯誤の連続で、思うように参加の登録数が伸びず、イベントを中止するかどうかの決断を迫られるほどでした。参加を呼び掛けるための電話掛けに取り組む日々が続きました。
そんな私を励ましたのは、ワールド・ビジョンの聞き取り調査の中で明かされた、困難な状況の中でも賢明に生きている世界の子どもたちの声でした。
ワールド・ビジョンは、生まれた場所、宗教、性別、人種などに関わらず、すべての子どもたちが「豊かないのち」を生きる世界の実現を目指して活動しています。ワールド・ビジョンは、6カ国600人余りの子どもたちに、彼らにとっての「豊かないのち」とは何か、聞き取り調査を行いました。子どもたちの声の一部をご紹介します。
「お代わりができるってこと」
「お友だちと遊べるってこと」
「学費が払えなくても、学校をやめなくてもいいってこと」
「家族そろって教会に行けるってこと」
「なんの危険もなく、みんなが平和に暮らしているってこと」
「両親に愛されているってこと」
「明日への希望を持てるってこと」
「白髪が生えるまで長生きできるってこと」
「私が成長するまで、両親が健康でいるってこと」
子どもたちの声に触れながら、目頭が熱くなりました。
子どもたちの描く「豊かないのち」は、決して、贅沢なものではありません。だからこそ、子どもたちの切実さが伝わり、胸を打たれました。
子どもたちのことをかわいそうに思ったからではありません。
困難な状況にあっても、自分にとって「豊かないのち」とは何かについてしっかりと見据えている、強さや頼もしさを感じたのです。
そんな子どもたちへの祈りの輪が広がってほしい。
そう願いつつ電話掛けに取り組んだ結果、イベント当日は多くの子どもたちに参加してもらうことができました。
カンボジアの子どもたちが直面する問題や、その問題を解決するためのワールド・ビジョンの取り組みについてお話してくれた松岡スタッフの締め括りのくだりが、特に私の中で印象に残っています。
「わたしの目には、あなたは高価で尊い」。神様の目を通じた、私たち人間への愛のメッセージです。この聖書の言葉が紹介され、生まれた場所、宗教、性別、人種などに関わらず、あらゆる子どもたちが愛される価値がある、誰一人として愛されないでいい子どもたちはいないことを、教えてくれました。
子どもたちから、「自分にもできることを見つけたい」「世界の子どもたちについて、たくさんの人に知ってもらいたいと思った」と感想をいただき、こうして、日本の子どもたちに世界の子どもたちの声が届いていく喜びを噛みしめたことを思い出します。
「豊かないのち」が、すべての子どもたちにとって当たり前になる世界の実現のために。
目まぐるしく変わる社会の中でも、キリスト教精神に基づき、イエス・キリストの姿にならって活動するワールド・ビジョンのスタッフとして、忘れずに、ずっと大切にしていきたい。そう思いました。
サポートサービス部 教会コーディネート
長下部 穣
長下部スタッフの過去のブログ
・研究の道からNGOへ~ミャンマーの旅で芽生えた想い~
・恐れの時代に、希望を届ける
・「ソーシャル」から「フィジカル」へ? 社会的繋がりとニュー・ノーマル
この記事を書いた人
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世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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