【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

Read Article

「今、私にできること」~一人でも多くの子どもの”I love my life!”のために~

皆さま、こんにちは。谷村美能里と申します。

マーケティング第2部で、主に、企業の皆さまとの連携・協働を担当しております。

さて、いきなり個人的なお話で恐縮ですが…。

私には小学3年生の娘がいるのですが、彼女が通っている英語教室の宿題のひとつに、英語で日記を書く、というものがあります。

お題が与えられ、娘が一気に書き綴るそれは、文法もスペルも赤入れする箇所満載ですが、勢いのある文章が面白く、スペルのチェックがてらに見るのが一つの楽しみになっています。

少し前のある週こと、日記のお題は、”Life”。
先生としては、日常のささやかな出来事を綴らせようとなさったのでは、と想像します。

何気なく読み始め、ところが、その書き出しに私の目は釘付けになりました。
“I love my life.”
日記はこう続いていました(原文英語)、

「I love my life.
だって人生は楽しいもの。
私は遊んだり、食べたり、飲んだりできる。
話したり、書いたりもできる。考えることだって。
私は宿題も好き、だって、色々なことを考えたり、新しいことを学べるから。
私は眠るのも好き。なぜって、沢山の夢が見られるもの!
それに、目を閉じて、8時間くらいの時間、ゆっくりと休めるなんて、それだけで素敵。
ほかにも私の人生には大好きなことが沢山!
I love my LIFE.」

「私は、生きていることが好き」
わが子の口からこのような言葉が聞けることほど、嬉しい、励ましを受けることはありません。
わが子が、自分の人生を、喜びにあふれて、前向きに歩めるように、その姿を見るためなら「できることは何でもしたい」。親として至らないことばかりの私でさえ、そう思う瞬間です。

しかし、世界には、極度の貧困、飢餓、暴力の蔓延、紛争、圧政、人権侵害、難民生活などの中で、どんなに願っても、頑張っても、愛するわが子のために「なす術がない」という嘆きの中におかれている親たちが大勢います。その悔しさは、痛みは、どれほどのものでしょうか。

彼らと私を、日本に住む私たちを隔てているのは、個人の努力ではありません。
社会が平和で秩序があり生存が脅かされていないこと、住む国が法の支配にのっとった民主的な国家であること、基本的な人権が尊重されていること、基本的な社会・生活インフラが整っていること、保健医療・教育などの公的サービスが受けられること。
娘の”I love my life”の前提には、個人の努力だけでは成り立たない、環境や制度があります。

私の所属するドナーエンゲージメント課のお仕事のひとつに、皆さまがお寄せくださった募金による支援活動の報告書を作成し、お届けするというものがあります。
様々な支援地から届く様々な支援活動による成果。
いただいたご支援に対して、数字で表される成果をお伝えすることを大切にしていますが、しかし同時に、それ以上に、私自身が心をひかれ、是非お伝えしたいと心がけていることがあります。

それは、皆さまのご支援により、子どもたちの人生に喜びがもたらされるとともに、その子を愛し、支えたいと願う親や家族が、「何もできることがない」という絶望から解放され、子どもたちのために「何かができる」という喜び、希望を手にしているという事実です。

アルシーネくんとアグネスさん

アルシーネくんとアグネスさん

ルワンダの支援地域で、栄養不良から回復し、元気に走りまわる息子を愛おしそうに眺めながら、「生活が苦しいのは変わらないけれど、家族に栄養価の高い食事を作れるようになってとても嬉しい」と語るお母さん。

シリアから戦渦を逃れてやって来たヨルダンで、先の見えない難民生活を送る中、「英語の勉強が楽しい」と話す娘の言葉を受けて、「新しいことを学べるのが楽しいのよね」と微笑むお母さん…。
子どもの生活~LIFE~に喜びが広がり、寄り添う親や家族にも明日につながる希望が生まれていきます。

「何かはきっとできる」。
ワールド・ビジョンのこのスピリットに共感し、手を差し伸べてくださる皆さまの支援が、子どもたちに近く寄り添うコミュニティの人々や、子どもたちを最も愛している家族、親の「なす術もない」状況に変化をもたらし、彼らの「何かはきっとできる」に、そして、子どもたちの笑顔につながっています。

ケニアの支援地の子どもたちと筆者(左)

ケニアの支援地の子どもたちと筆者(左)

私自身も、世界の子どもたちを取り巻く状況に足をすくませることなく、今日も明日も前進していきたいと思わされています。
世界の1人でも多くの子どもたちの人生、暮らしに、子どもたちが”I love my life”と言うことのできる領域が広がっていきますように。

 

マーケティング第2部 ドナーエンゲージメント課 谷村 美能里

募金・協力する

ワールド・ビジョン・ジャパンの支援事業の報告書はこちら

クリスマスまでの「この子を救う。未来を救う。」キャンペーン期間中は、ワールド・ビジョン・ジャパンのスタッフ、ボランティア、インターンの支援に携わる想い「今、私にできること」シリーズを週1~2回掲載します。次回は、12月5日の国際ボランティア・デーを前に11月30日、ボランティアスタッフとして活動しているペテルさんの「ボランティアスタッフの私に出来ること」です。お楽しみに!

この記事を書いた人

WVJ事務局
世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
Return Top