【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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東京の緊急人道支援課

ワールド・ビジョンの基本ともいえるチャイルド・スポンサーシップを通じて行う事業は原則的に開発課が担当しています。よって緊急人道支援課が直接関わることはあまりありません。このブログを読んでくださる合計10名くらいの方の中には「じゃあ緊急人道支援課は、普段は東京で何をしているの?」という疑問を持っている方もいるかもしれません。そこで今回は自分がその疑問に日々の仕事の話を交えて答えたいと思います。「そんな疑問もってない」という方も自分が久しぶりにアップデートしたブログなので読み進んでくださるとうれしいです。

サッカーをするスーダンの子どもたち

サッカーをするスーダンの子どもたち

緊急人道支援というと災害時や紛争地で素早く現地に入る支援という感じがしますが、それは当然毎日のことではありません。東京の事務所での仕事が実は多くあります。例えば、事業を始める前にどのような必要性がありどのような支援が可能か決める必要があります。また緊急人道支援の資金の大部分は国連機関や政府等の助成金を使っていますが、事業によっては助成金の承認に多くの時間が費やされることもあります。(その助成金に合わせる形で募金を通じて寄付してくださった方のお金を自己資金として使わせていただいています。例えば2008年のクリスマス募金は大部分をアンゴラの支援事業にあてる予定です。)また資金面で折り合いが付いて実際に事業が始まった後も、現地のワールド・ビジョンのスタッフが現場の事業管理を行い日本からは定期的な現地とのやり取りを通じてのみ事業管理をすることもあります。

WFPの食糧配布 (スーダン)

WFPの食糧配布 (スーダン)

自分は主にWFP(世界食糧計画)という名前そのままの食糧確保を目的とした国連機関の事業に関わっています。WFP事業では現場の仕事は事業企画から実行までほぼ全て現地のワールド・ビジョンのスタッフがするのでワールド・ビジョン・ジャパンのWFP担当者は東京拠点となります。こう書いてみるとブログを読まれている方は「現地のスタッフがほぼ全部するのなら、この三浦って人あまり仕事してないよね?」と思われるかもしれません。そこで自分が実際何をしているかというと、現地から送られてくる事業企画書を読み、少し内容をまとめて、ワールド・ビジョン・ジャパンとしてその事業に参加するか決めてもらいます。企画書に不明な点などがあれば現地の担当者と連絡し明白にします。事業に参加すると決まれば必要書類の作成・管理をし、事業が始まると進行状態を現地からの連絡を通じて把握します。

WFP事業は現地のスタッフが行っている部分が多いのですが、事業数も多いので色々な国から同時に物が送られて来る時があり、ただでさえ物の管理力にいささか問題のある自分の机周辺は通勤ラッシュの山手線車内のような意味不明状態になりがちです。そのため少なくても見かけの面では非常にたくさん仕事をしているように見えます。そこで今年は見かけだけでなく量も質もしっかりした仕事をしたいと思っています。

この記事を書いた人

三浦 曜バングラデシュ事業担当 プログラム・オフィサー
米国Washington and Lee大学理学部化学科卒業。在学中にケンタッキー州の都市貧困にかかわるNPOでインターンをした事でNPOの働きに興味を持つ。一般企業で勤務後、帰国し2008年9月にワールド・ビジョン・ジャパンに入団、支援事業部緊急人道支援課に配属となる。2009年から2011年までスリランカ駐在、2013年から2015年5月まで東ティモール駐在。2015年8月に退職し、ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院でMSc. Public Health in Developing Countries(途上国における公衆衛生)修士号を取得。2016年10月に再びワールド・ビジョン・ジャパンに入団、支援事業部開発事業第2課での勤務を開始。現在、バングラデシュ事業担当。2018年3月退団。
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