毎回体当たりな、痛い内容満載でブログを書いてる気がしなくもないが、今回もそんな流れで、ローカルなお薬について書きたいと思う。
最近の若者の潮流に不必要に乗っかって、私は逆流性食道炎もちである。さらにもともとお腹が弱いという、援助業界に携わる者として、痛いコンディションもちでもある。
食生活の改善が必要なのはわかっているが、手に入る食料が限られているなか、脂肪分少な目で、野菜中心で果物たくさんとか、贅沢が言えないのが現実だ。
病院らしい病院にもかかることができないので、胃が痛むときや、消化不良の時は、市販の胃薬や、日本の病院でいただいた薬で対処するのだが、今朝の痛みはひどかった。焼け付く痛みとみぞおちのあたりに走る鋭い痛みで目が覚めて、それからは横になれず、薬も効かず、ただひたすら痛みが引くのを待つ。胃酸が逆流するのが横になっているとよく分かる。
もんどりうっている私を見て、現地のスタッフはかわるがわるお見舞いに来てくれる。その気持ちは本当にうれしいのだが、あまり言葉も発せられないので、来てもらっても頷くしかできず、逆に申し訳ない。
一人の現地スタッフが見るに見かねて、「ローカルな薬を試してみる?」と聞いてきた。
ローカルな薬…どんなんだろう、大丈夫だろうか。非常に不安な気持ちになったが、もしこの痛みが和らぐなら何でも飲もう、と決心した。
そのスタッフがバックから取り出したのは、「胸の痛みや胃の痛みに効く」という木の枝。
シルック語で「ニール」というこの木の枝は(写真参照)、何の木なのかは分からないが、現地の人御用達のハーブらしく、この枝を口に入れて繊維だけ吐き出すらしい。
人生27年、幸か不幸か木の枝を口にしなくてはならない状況に直面したことがなかったので、かなり戸惑ったが、噛んでみた。
青臭く、苦い。たとえて言うなら、生のさやえんどうを食べている感じかもしれない。
くちゃくちゃやってると、苦み成分がどんどん出てくる。別に我慢できない味ではないが、これがはたして効くのか、非常に疑問だったのだが、噛んでしばらくすると、ちょっと痛みが和らいだ気がする。「プラシーボか?」と思いつつ、横になる。
1時間くらい眠ると、胃の痛みが前よりずいぶん楽になった気がする。みぞおちのあたりの痛みはのこるけれども、さっきよりずいぶんマシになった。ニール恐るべし。
ローカルな薬は、馬鹿にしちゃいけない、と肝に銘じた日だった。
でも機会がある時にちゃんとお医者さんには診てもらおうと思う…。
この記事を書いた人
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イギリス、マンチェスターメトロポリタン大学にて政治学部卒業。
大学在学中にWFP国連世界食糧計画にてインターン。
2010年9月より支援事業部 緊急人道支援課(旧 海外事業部 緊急人道支援課)ジュニア・プログラム・オフィサーとして勤務。2012年9月よりプログラム・オフィサーとして勤務。2016年7月退団。
趣味:読書、映画鑑賞、ダイビング
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