事業は、実際に現場で汗を流しているスタッフだけでは回らない。現場にいるスタッフとスタッフをサポートする首都モンロビア事務所のスタッフとが協働するからこそ動くのだ。
井戸や家族用トイレの建設や丸太橋・小学校修復用の200種類以上にのぼる道具・資材の調達や現場への運搬、借り上げトラックや車両用燃料の管理を一手に引き受けるのは、事業のロジスティック・オフィサー、ワディ・ワレスだ。道具や資材の注文は、現場のスタッフと資機材のスペックなどの細かい調整をしてから、正確、且つ素早く注文し、現場へ運搬しなくてはいけないので、常に神経を使う仕事だ。それをいつもニコニコしながらこなす、頼れる存在だ。
ワールド・ビジョンには、食糧や物資を管理するための細かい手順がある。調達した物資のあらゆる動き(現場への運搬、現地での配布など)を管理するのは、コモディティ・オフィサーのオーガスティン・キンバーである。オーガスティンは、現場で、前回紹介した倉庫管理チームと膝を付き合わせて、倉庫管理チームが作成した物資管理書類を検証してから、モンロビア事務所に戻り物資状況報告書を作成する。大変骨が折れる作業であるが、それを苦とせずやってのけるのだ。モンロビア側の物資管理作業も事業の大黒柱の一つである。
事業を動かしていく上でなくてはならないのがお金だ。事業に関わる支払いや出金管理などを担当しているのは、事業の会計であるラウン・ガルミである。現場での支払いには必ずラウンが出向き、泊りがけで橋や小学校の作業員がいる奥地へ支払いに行くのである。会計の仕事は個人プレーではなく、ワールド・ビジョン・リベリアの財務チームの一員として、事業チーム(プロジェクト・マネージャー<筆者>、ロジスティック<ワディ>、シニア・プロジェクト・オフィサー<前回紹介したジェレミー>、帳簿係兼データ・アナリスト<パロマ>など)とのチームワークで行なっている。
事業では、コミュニティの状況やニーズを理解するために、環境保健・水・衛生施設調査(事業開始時)、人口調査(事業開始時、終了時)、保健衛生に関わる知識・実践調査(事業開始時、終了時)など様々なデータを取る。データは取るだけでは意味がない。結果を事業に反映させて初めて活きるのだ。データの集計・分析、プロジェクトの進捗状況の確認、日々の小口出金管理を担当しているのは、帳簿係兼データ・アナリストのパロマ・ブリトーである。フットワーク軽く、事業進捗モニタリングや講習会開催時にはサポートのためフィールドへ行く。
これらリベリア事業のスタッフは、ジャパン・プラットフォーム事業にとってかけがえのない宝であり、共に働くことができたことを感謝している。
この記事を書いた人
- 大学でスワヒリ語(東アフリカの言語)・アフリカ地域学を学んだ後、在ケニア日本大使館において在外公館派遣員として勤務。そこで、ストリートチルドレンへのボランティアを経験したことから、困難な状況にある子どもたちへの支援がライフワークに。留学、タンザニアでの協力隊を経て、2003年2月よりワールド・ビジョン・ジャパンに勤務。リベリア、スーダン、南スーダン駐在を経て、2010年5月より東京事務所勤務。現在、緊急人道支援課長。関西に住む3人のかわいい甥っ子・姪っ子たちの成長が元気の源。
このスタッフの最近の記事
- アフリカ2018年6月13日18歳、難民居住地で暮らす。将来の夢はジャーナリスト。
- アジア2017年12月15日テクノロジー×食糧支援 | WVのイノベーション
- 事務局2017年11月14日初めの一歩 〜チャイルドへの手紙〜
- 中東2017年5月29日難民・問題・イノベーション | シリア難民の教育現場から