【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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学校でのベトナム語

前回のブログ記事で、事業を実施している地域の女性の多くが読み書きをできません、と書きました。これは彼女たちが女性であるということと、そして少数民族であることが関係しています。私たちの事業地では、モン族やターイ族といった山岳少数民族が多くいます。ベトナム国は約86%をキン族(ベトナム人)が占めており、残りは53にも上る少数民族が暮らしています。

ベトナムの共通語はベトナム語になり、学校での勉強ももちろんベトナム語です。ところが当然ですが、少数民族の家庭、集落では通常自分たち独自の言語が使用されており、学校に行って学ぶまでベトナム語を理解できないことがあります。病院に行っても言葉がよく通じない、といって病気になったり妊娠したりしても病院に行きたがらない人たちがいます。

立って挨拶をしてくれる幼稚園児

立って挨拶をしてくれる幼稚園児

今回事業地を訪問した際に、ワールド・ビジョン・ジャパンがチャイルド・スポンサーシップを通して地域開発プログラム(ADP)で支援している幼稚園、小学校を訪問する機会がありました。

幼稚園では、たくさんの子どもが並んで座って先生と一緒に歌を歌ったり、先生のあとについて詩の朗読をしたりしていました。

先生といっしょに歌いながらタンバリンをたたく幼稚園児

先生といっしょに歌いながらタンバリンをたたく幼稚園児

私が担当している事業のプロジェクト・マネージャーはハノイ出身のキン族ですが、その幼稚園児たちの朗読を聞いても、発音がわかりにくくうまく聞き取れないと言っていました。

昭和の香りのする遊具

昭和の香りのする遊具

幼稚園児たちは、まだ読み書きができなくても、先生からベトナム語の発音を習い、ベトナム語を暗記して勉強をしているのです。

小学校に行ってから、ベトナム語の授業についていけずに途中で退学してしまうケースも多く、幼稚園でのベトナム語の習得はその後の教育のためにも非常に重要です。

グループになって勉強する小学生

グループになって勉強する小学生

隣の敷地にある小学校も見学させてもらいました。生徒たちはグループごとに座っており、新しいグループ学習法を導入しているところだそうです。丁度ベトナム語の授業で、先生と一緒に教科書を読んだ後は、それぞれ繰り返し音読をしていました。小学校に上がっても、まだこの子たちにはベトナム語は難しいようで、まだまだ発音もはっきりしないとのことでした。

ADPで支援したお弁当箱。朝各家庭でご飯を積めて持ってきて、おかずは給食としてでます

ADPで支援したお弁当箱。朝各家庭でご飯を積めて持ってきて、おかずは給食としてでます

外国人である私から見てもベトナム語の発音は非常に難しく、幼稚園児には大変であろうと推測できますが、子どもたちはみんな楽しそうに友達と並んで座って、先生の後について復唱していました。

ベトナム語の音読をする少女

ベトナム語の音読をする少女

ディエンビエンのような地方の山岳地帯に行っても、幼稚園、小学校があり、先生がいて教科書が揃っている状態を見ると、これから益々ベトナムは発展していけるんだろうなと感心すると同時に、私たちの支援が少しでもその手伝いができれば嬉しいことだと思います。

この記事を書いた人

三浦真穂
大学院在学中にフィリピン留学をし、ストリートチルドレン保護のNGO活動に参加する。大学院修了後、他NGOにてタイ、ラオス事業を担当し地域開発に関わる。その後モンゴル駐在にてマンホールチルドレン保護事業、リベリア駐在にて帰還民支援事業などに従事する。2011年1月にワールド・ビジョン・ジャパンに入団し、支援事業部 緊急人道支援・グラント事業課 アジアチーム所属。2011年1月~2012年4月まで、ソロモン諸島に駐在。2012年11月から2016年6月まで、ベトナムに駐在。
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