「海外は、大人になって自分で稼げるようにならないと行けないところ」と夢見ていた子どもの頃、絶対に行きたかった国の一つがインドでした。
本場のカレーは、いつも家で食べる(ルーを使う)カレーとは違うらしいこと、ガンジス川での沐浴、貧富の差、ボリウッド映画や音楽…その頃の自分が断片的に知るインドは、多面性に富み自分の日常とはまったく異なる世界のように映り、想像をかきたてられたものです。
ワールド・ビジョン・ジャパンに入団する遥か昔の20年前、就職を機に始めたチャイルド・スポンサーシップで、初めて紹介されたチャイルドがインドの8歳の女の子でした。興味のあった国だけにとても嬉しく、インドがぐっと身近に感じられるようになりました。
当初のチャイルドからの手紙は、スタッフが代筆したものに本人が描いたかわいらしい絵が添えられていましたが、数年後に便箋にびっしりと直筆の文字が並んだ手紙を受け取った時の感動は忘れられません。チャイルドの成長と、支援により学校に通えていることを実感した瞬間でした。
その後、チャイルド訪問こそ叶わなかったものの、インド旅行も果たし、魅力の尽きない国であることを体感。
そして今年の8月、スタッフとして初めてチャイルド・スポンサーの支援地訪問ツアーに同行し、インド南部の2カ所の支援地を訪問する機会をいただきました。
ツアー詳細はぜひこちらの報告をご覧ください。
今回、チャイルド・スポンサーの皆さまとチャイルドや家族との対面、そしてコミュニティの人々や子どもたちとの交流の場に立ち会えたことを心から幸せに思います。
日頃は、置かれている環境も背景も異なるチャイルド・スポンサー一人ひとりから寄せられたご支援が、海を越えて届けられ、かの地の人々の生活や人生に変化をもたらしていること、双方が対面することで互いの感謝や喜びの思いが直接伝わり、互いに励まされてまた次の一歩を踏み出す姿を、遠い国の美談ではなく、実際に目にすることができたからです。
もちろん、途上国の課題は複雑で、チャイルド・スポンサーシップですべてが解決できる訳ではありません。時に、支援のあり方に対し厳しいご意見も寄せられます。
しかし、目の前には、支援をきっかけに将来への希望を取り戻した人々が確かに存在しました。
彼らに共通するのは、支援に対して決して受け身ではなく、与えられたチャンスを活かし、自らの足で立とうとする誠実な姿勢です。それは、彼らに寄り添う現地スタッフをはじめその先にいるチャイルド・スポンサーへの信頼の表れでもあるようでした。
そうした人々と子どもたちに向けられたスポンサーの眼差しは温かく(それは、皆さまが撮影された微笑ましい写真にも表れています)、自然と笑みがこぼれ暗黙の絆が生み出されたように思うのです。
小さなきっかけやヒントで、本来持ち合わせている力が発揮される…私たちには、友人や先輩、恩師、同僚や上司からのちょっとした一言や助けが、人生の転機となったり意欲や勇気につながることがあります。同様に、チャイルド・スポンサーシップが、関わる一人ひとりに、次の一歩を踏み出す力をもたらすものになることを信じ、活動の一端を担ってまいりたいと思います。
サポートサービス部人事・総務課
辻 智子
この記事を書いた人
-
世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
このスタッフの最近の記事
- アジア2024年8月13日分離帯の少年~バングラデシュで見つけた希望、そして新たな問い
- 事務局2024年6月28日5年ぶりにボランティア感謝会を開催しました!
- 事務局2024年5月14日分け合う心を育む「梅干しふりかけ弁当」
- 事務局2024年4月5日国際協力に関心がなかった私が、Chosenに参加して感じた3つの気づき