【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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パトロールが来た!|南スーダン

南スーダンは本格的に乾季に入り、吹き上げる風が息苦しくなってきた。
土ぼこりが始終舞い上がっていて、くしゃみと鼻水が止まらない。
でも埃のおかげで、夕日がとっても赤く、綺麗に見える。一瞬ぼんやりと見とれてしまう。

はるばる海を越えてやってきた日産パトロール

はるばる海を越えてやってきた日産パトロール

さて、先日日本からはるばる、砂塵を巻き上げて、日産パトロールが到着した。

元々、東日本大震災の対応のために、日産よりいただいた車だが、ありがたいことに、一関での支援終了後も、ワールド・ビジョンの活動のために、ということで、南スーダンへ2台、送られることになったのだ。1台は南スーダンの首都であるジュバにあるワールド・ビジョンの事務所で使われていて、もう1台は、私たちが事業を行っているマラカルに送られることになった。

海を越えてはるばるアフリカ大陸へやってきたパトロールは、色々な(本当に色々な)手続きを経て、10月ごろジュバ
に到着。無事着いてよかった、と思っていたら、次の課題は、
もう1台をどうやってマラカルへ持ってくるかだった。
ジュバとマラカルはかなり距離が離れており(と言っても飛行機で大体1時間半程度だが)、車両などの大きな物の輸送手段は、ナイル川を使って船で運ぶか、陸路で運ぶかに限られる。

燃油の生産が再開されていない南スーダンでは、独立後燃料の価格が爆発的に上がり、いまだ高止まり傾向にあるため、船で運ぶのに莫大なお金がかかり、しかも業者自身も燃料が調達できなかったりして、なかなか動かない。陸路にしても、雨季の間は、道が泥だらけで、人はおろかどんな車でさえも、ぬかるみにはまり込んでしまって、身動きが取れない。ということで、道が完全に乾き、移動できるようになる乾季を待って、確実性の高い陸路で移動させることになった。

うっすらと埃をかぶった車両後方

うっすらと埃をかぶった車両後方

1月のはじめ、道が乾いたことを確認して、ジュバから4日間かけて日産パトロールが到着した。

長旅を耐え抜いて、少しすでに埃っぽくなっていたが、東北で活躍したパトロールがはるばるこんな所まで、と一人感極まってしまった。(ほぼ)新しい状態の車に乗り、砂埃を気にせず、窓を閉めて、エアコンをつけられるなんて、素晴らしい!と乗るたびに感動している。

ドライバーにも、これは日本からきたんだよ、前は東北の震災のために使われてたんだよ、と非常につたないアラビア語の単語と身振り手振りで知らせると、なんとなく感心した風だった。いろんな風景を見てきたパトロールと、これから南スーダンで一緒に働けるのが楽しみだ。
(文中 敬称略)

この記事を書いた人

國吉美紗プログラム・オフィサー
イギリス、マンチェスターメトロポリタン大学にて政治学部卒業。
大学在学中にWFP国連世界食糧計画にてインターン。
2010年9月より支援事業部 緊急人道支援課(旧 海外事業部 緊急人道支援課)ジュニア・プログラム・オフィサーとして勤務。2012年9月よりプログラム・オフィサーとして勤務。2016年7月退団。
趣味:読書、映画鑑賞、ダイビング
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