街は、クリスマスに向けて、色とりどりのイルミネーションで溢れています。ご自宅にも、クリスマスツリーを飾っておられる方も多いのではないでしょうか。
ところで、皆さんには、お気に入りのクリスマスツリーの飾りはありますか? 私は、高校生の頃、友人から、モールがあるものを表わしていると知って以来、モールがお気に入りになりました。
あるもの。それは、蜘蛛の巣です。
蜘蛛の巣を表すモールがお気に入りなんて変わっているな、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、その由来を知れば、皆さんのモールを見る目も変わるのではないかと思います。かいつまんでご紹介しましょう。
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ベツレヘムに誕生したイエス・キリストの噂を聞きつけたヘロデ王は、自身の王位が奪われることを恐れて、手下たちに命令を出します。
「2歳以下の男子を皆殺しにせよ」
赤ん坊のイエスを抱き抱え、必死に逃げるヨセフとマリヤ。途中、休息をとるために洞窟の中に身を隠します。その洞窟には、一匹の蜘蛛がいました。蜘蛛は、イエスを見て、こう思います。
「赤ちゃんが風邪を引くといけない」
蜘蛛は何ができるかを考えますが、何も思いつきません。自分には、洞窟の入り口を覆って風を遮ることのできる大きな体も、イエスを温めることのできる豊かな毛もなかったからです。
「自分にできることは糸を張ることぐらいしかない」
洞窟の入り口は決して小さくはありませんでしたが、蜘蛛は、何度も行ったり来たりして、入口が隠れる程の蜘蛛の巣を張り巡らしました。
「これで、少しは風を遮ることができるかな」
そのころ、すぐそこまで迫っていた手下たちは、見るからに怪しい洞窟を見つけます。しかし、洞窟の入り口に張り巡らされた蜘蛛の巣を見て、手下の一人が言います。
「最近誰か通ったのならば、蜘蛛の巣がこんなに張っているはずがない」
手下たちは、洞窟の中には入らずに去っていきました。蜘蛛の巣が、イエスの命を守ったのです。翌朝、朝露で濡れた蜘蛛の巣は、朝日に照らされてキラキラと光っていました。
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イエスの命を守った蜘蛛への感謝を表すため。これが、友人から聞いたクリスマスツリーのモール飾りの由来です(実際は、諸説あるそうです)。
私がなぜモールがお気に入りなのか。それは、「“何も”できない」と諦めるのではなく、自分にできることをした蜘蛛の姿に教えられるからです。
終わらない紛争、災害、感染症。世界の子どもたちを取り巻く状況は厳しさを増すばかりです。困難の中にある子どもたちは、2022年のクリスマスをどんな想いで迎えるのでしょうか。
「“何も”できない」ではなく、「“何か”はきっとできる」と信じて、自分にできることをしたい。
きらめくクリスマスツリーのモールを眺めながら、そんな思いを新たにされています。
サポートサービス部 教会コーディネート
長下部 穣
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【長下部スタッフの過去のブログ】
・世界の子どもたちに想いを馳せて
・恐れの時代に、希望を届ける
・研究の道からNGOへ~ミャンマーの旅で芽生えた想い~
この記事を書いた人
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