【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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遺贈という選択

遺贈とは、ご自身の財産(の一部)を、亡くなられたあとに、遺言によって財産を譲ることです。希望に沿って指定の団体に寄付することが可能で、「最期の社会貢献」とも言われています。私は法人・特別ドナー課で、遺贈や相続財産からの寄付の担当をしています。

フィリピン サマール地域のチャイルドや家族とともに(右端が筆者)

フィリピン サマール地域のチャイルドや家族とともに(右端が筆者)

「遺贈」と聞くとどのようなイメージを持つでしょうか?
人が亡くなることと直結するため、なんとなく話しづらい、聞きづらいイメージもあるかと思います。私自身も担当する前は、大変そうだな、気が重いな、と思っていました。
ですが実際には、イメージに反して明るく前向きなものです。
それは、ご生前に遺贈寄付についてお話になったり、ご相談くださるご支援者の皆さまが、しっかりとご自分の残りの人生を見据えておられ、最後の財産の活用方法をきっちり自分で決めようというご意思を感じるからです。すばらしいなといつも感銘を受けます。

私はご遺贈のご相談をお受けしてから、実際に遺贈寄付先としてワールド・ビジョン・ジャパン(以下、WVJ)をご指定くださるということになりましたら、なるべくその方にお会いするようにしています。人生の集大成である遺贈を私たちWVJにお預けいただくという重いご決断を、ある種の覚悟をもって、誠実にお受けしたいと願うからです。

どのような背景で、世界の子どもたちのためにとお決めいただいたか、ご支援によって子どもたちや地域がどんなふうに変わっていってほしいか、など大切な思いをお聞きし、私にとどめるのでなく、支援を届ける支援地域の子どもたちにもその思いを届けるようにしています。

現地スタッフを通して子どもたちに支援者や遺贈について伝え、思いが届きます

現地スタッフを通して子どもたちに支援者や遺贈について伝え、思いが届きます

例えば、長い間教育に携わってこられた方が、チャイルド・スポンサーとして支援を継続する中でご家族と相談し、一部を世界の子どもたちのために役立てたいとおっしゃったり、途上国の女の子の状況に関心があり、自分で決められるうちに準備をしたいと、WVJを調べてご連絡くださる方もいらっしゃいます。“その方らしさ”に触れ、人生の先輩方からたくさん学ぶ貴重な体験です。

教育支援では子どもたちの学ぶ環境を整える活動に用います

教育支援では子どもたちの学ぶ環境を整える活動に用います

担当業務上、遺贈として財産を残す形があることを広めるために「終活」セミナーに参加し、WVJの活動紹介をする機会があります。セミナーではエンディングノートの書き方や、相続の基本の考え方などを皆で学びます。そこで初めて知った考え方の1つに、ACPというのがありました。ACPとはアドバンス・ケア・プランニングといって、人生の最終段階の医療・ケアについて、本人が家族や医療・ケアチームと事前に繰り返し話し合うプロセスのことです。これを聞いたときに、こんなふうに家族で準備できたらスムーズだろうなと思いました。というのも、実際は難しいことが多いからです。

私自身のことを話しますと、実は皆さまのお手伝いをしていながら自分の家族の啓発はまだできていません。まずはエンディングノートを買って母に渡してみよう! と思っているものの、まだできていません。祖母は入院していて具合が悪いのですが、そんな弱っている祖母を前にして今さら話合いを切り出せないのが現状です。
やはりまだ本人が元気なうちに、明るく家族で話し合うということの積み重ねが大事なのだろうと思う今日この頃です。

お盆の頃や、クリスマス、年末年始など、家族で集まる機会に、今後のことについて話し合ってみるのはいかがでしょうか?

こんなことを言っていたな、といつか振り返ることができることも、家族にとっては良い思い出になるはずです。
遺贈はとても大きな気持ちのこもったご寄付です。ご自身の人生を終えられた後のご寄付を前向きに、将来の夢を語るようにお話くださるご支援者の皆さまに、支えられていると日々感じています。

遺贈・寄付に関するご相談など、ぜひお気軽にお知らせください。遺贈に関するお近くの相談窓口などもご紹介いたします。

法人・特別ドナー課 清海(きよみ)

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遺贈、遺産や相続財産などのご寄付
【遺贈などのご寄付】「マサさん、ありがとう!」あふれる子どもたちの笑顔と感謝

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・第1回:遺贈・相続した遺産の寄付が「最期の社会貢献」として注目を集める:日本国内での意識や現状
・第2回:【弁護士監修】遺贈とは?相続や死因贈与との違いと遺贈の方法について解説
・第3回:【弁護士監修】相続財産の寄付とは?相続財産からのご寄付で世界の子どもに未来を!
・第4回:遺贈・相続した遺産からの寄付はワールド・ビジョン・ジャパンへ:あなたの大切な財産を、子どもたちのより良い未来につなげませんか?

【清海スタッフの過去のブログ】
チャイルドに会うという体験
トイレの話から
突然の悲しいお知らせ

この記事を書いた人

WVJ事務局
世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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