【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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「限界」って、なんだろう

 

 

東京マラソン2020チャリティの出走枠獲得のためにクラウドファンディング中です。
いや、もう走れることが決まったかのようにトレーニングしています。

もっと正確には、フットサル(趣味)のためにしているトレーニングを、東京マラソン2020チャリティのためって言っています。まぁ、きっと一石二鳥ですよね。

体幹だいじ

やっぱ体幹だいじ

下半身もだいじ

上半身もだいじ

やっぱでも走らなきゃ。走り方だいじ

そして、もう限界。毎回、限界。

「限界」って、なんでしょう。
あるようでなくて、ないようである、私にとってはそんな存在です。

日々私がトレーニングで「あーもう無理、限界」って使う「限界」は、自分で決めつけている可能性が高くて、正しくは「あーもう無理、疲れた」なんだと思います。

トレーニングにおいては、耐えられるウェイトに「限界」があります、でもそれは別の表現をすると「実力」。ベンチプレスで30キロを10回あげるのが私の「今の限界」、でも、私の「人間としての限界」ではない、かと。

言葉遊びみたいなところがあるので、あまり深堀りしないのですが、
一度だけ、「人間としての限界」を感じたことがありました。

バングラデシュで経験した「人間としての限界」

私が経験した「人間としての限界」、ワールド・ビジョン入団して3年目ぐらい。
(※正しくは「私という人間 の限界」)

バングラデシュ出張から帰国してから、1週間ぐらい吐き続けたことがありました。
病院行っても、原因不明。薬飲んでも、点滴しても、嘔吐は止まらない。
もしや
破傷風?狂犬病?変な感染症!?(やっぱり予防接種をしておけばよかった!)

結論から言うと、

急性ストレス反応

それが分かったのはワールド・ビジョンの勧めで受診した精神科。
(さすがワールド・ビジョン!嘔吐で精神科に行く発想は私にはなかった)

精神科の先生との会話:
先生「バングラデシュから帰国して、ちゃんと泣きましたか?」
「んー、そういえば、泣いてないかも」
先生「『吐く』という行為は、見たもの、感じたことを心身が耐えられない時にも起こります。身体から、心から、記憶から、出そうとしているんです。耐えられないから」
「へぇ~」
先生「あなたは、バングラデシュで何を見たんですか」
まぁ、いろいろ

なんて感じ悪い患者。

結局治らないじゃん、なんて思いながら先生に言われたことを上司に電話で報告したとき

上司「そうでしたか。本当に、つらかったですね。(バングラデシュに行ってくれて)ありがとうございました。ゆっくり休んでくださいね」
(うるおぼえ、確かこんな感じ)

そしたら、なんか、めちゃくちゃ泣けてきて。
バングラデシュで見たこと、感じたことがものすごい勢いでカムバックしてきて涙が止まりませんでした。

 

何時間泣いたかな。涙が止まったと思ったら、嘔吐も止まっていて
そこから、もう、吐きませんでした。

バングラデシュで出会った、ゴミ山で生きる少女たち

バングラデシュで出会った、ゴミ山で生きる少女たち

幼くして「人間の限界」を経験する子どもたち

バングラデシュでの一件から、私は出張で出会う途上国の子どもたちと一定の心的距離を置くようになりました。ずるいですよね。

ゴミ山で生きる少女も、紛争で両親を目の前で殺された少年も、「人間としての限界」をとっくに超えたところで、「限界」を麻痺させて懸命に生きているのに、1週間吐き続けただけで「人間としての限界」だって騒ぐなんて、情けなさすぎます。

フルマラソンは「人間としての限界」への挑戦ではありません。
身体の疲労、メンタルブレイク、甘えとの闘い。心身ともに鍛錬すれば、難しいことではないです。(たぶん。完走できなかったらすみません)
でもこの東京マラソン2020チャリティの裏(というか表というか)では、「人間としての限界」を迎えている子どもたちが大勢います。きれいな水がなくて。病院がなくて。栄養が足りなくて。紛争に巻き込まれて。
そんな子どもたちの「声なき声(voices of the voiceless)」のために、私の42.195キロを捧げます。

どんなに疲れても、寒くても、雨でも雪でも、このマラソンだけは、絶対に走りぬくことを約束します。

応援してくださっているすべての方に、この場を借りて、心より感謝申し上げます。

マーケティング第1部 コミュニケーション課
堂道 有香

チャリティアンバサダーの原監督のお話にもたくさん励まされました


堂道スタッフ 東京マラソン2020チャリティのクラウドファンディングに挑戦!
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堂道有香の挑戦は、今からでも応援できます

認定NPO法人ワールド・ビジョン・ジャパンは、東京マラソン2020チャリティ事業の寄付先団体です。
東京マラソン2020チャリティ公式ウェブサイト
https://www.marathon.tokyo/charity/


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この記事を書いた人

WVJ事務局
世界の子どもたちの健やかな成長を支えるために、東京の事務所では、皆さまからのお問合せに対応するコンタクトセンター、総務、経理、マーケティング、広報など、様々な仕事を担当するスタッフが働いています。
NGOの仕事の裏側って?やりがいはどんなところにあるの?嬉しいことは?大変なことは?スタッフのつぶやきを通してお伝えしていきます。
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