【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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「N女」の謎に迫る③ ~国際協力に、英語ってどれくらい必要!?~

=はじめに=

「NPO業界で働く女性」が、今、「N女」(エヌジョ)と呼ばれているのをご存知ですか?

中でも、高学歴で大企業勤務の経験ありなど、“ハイスペック”な経歴を持ったうえで、NPO業界で働くことを選ぶ女性が「謎めいている」という理由で、注目を浴びています。「N女」という言葉を生み出した「N女の研究」(中村安希著:2016)という本との出会いをきっかけに、私、広報スタッフの堂道(どうみち)が、ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)で働く「N女」の素顔に迫ってみることにしました。

現在、ワールド・ビジョン・ジャパンに在籍している85名のスタッフのうち68.2% (58名)が「N女」。前回に引き続き、今回も、2017年4月に新しく事務局長に就任した木内「N女」編をお届けします。

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“えー!Really?! That is 超 good!!”

このように、ジャパニーズ(日本語)とイングリッシュ(英語)を好きなようにミックスさせた言語を、ジャパニングリッシュと言い、帰国子女やインターナショナル・スクール等に通っている学生の間で良く使われています。

私はアメリカからの帰国子女なので、このジャパニングリッシュをこよなく愛し、日常的に使っていますが、WVJの海外出張から帰国したばかりのスタッフも、よくジャパニングリッシュ状態に陥っています。<支援事業部あるあるTOP10ランキング(海外出張の多い部署による内部調査)>の中でも、「日本語の会話に他の言語が混ざる」が堂々の2位にランクインしています。(ちなみに1位は「海外にいる時のほうが、自分はイキイキしていると感じる」)

ワールド・ビジョンのような、世界中にオフィスがある国際NGOでは、英語力は、欠かせません。

そうだろうね、すごいね。無縁の世界だ…

なんて思わないでください!

オックスフォード大学院で修士号を取得した事務局長の木内「N女」でさえも、今もなお「英語」に難しさを覚えながら、仕事をしているのです。

それでは、お楽しみください。

木内「N女」特集ファイナル:「わたしと英語のエトセトラ」

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Q. 英語はどこで学びましたか?

日本です。ひたすら、日本。中学時代は、フランスの日本人学校でしたが、日本のカリキュラムでした。英語のための塾などは行っていません。まぁ、英語は好きでしたね。楽しかったです。

Q. フランスで中学時代を過ごしたことは、語学に影響ありましたか?

ものすごく影響していると思います!

フランス人だけでなく、欧米人全般かもしれませんが、自己主張が強いじゃないですか(笑)。何に対しても自分の意見を持つってことが大事で、白黒はっきりさせたいところがあるので、私が特に意見がなくてふらふらしてると “Oui ou Non? (Yes or No?)” と、よく迫られました。なので、フランス人との会話に加わろうとするときは、多少ムリクリでも「自分の主張(考え)はこれっ」と考えるように…。今思うと必要以上に構えていたかもしれませんが、私にとってのフランス語は、必要に迫られて持つ「自分を主張するための道具」だったので、おのずと発言内容も白黒はっきりしていました。フランス語を話すときと、日本語で話すときでは中身や言い方が少し変わってるな、というのを子どもなりに感じていたと思います。だからフランスで過ごしたあとは、語学を学ぶとき、「この言葉を使って何をどう表現するのかな」と考えて覚えるようになったと思います。

WVJで最初に出張に行ったルワンダで。ルワンダ人スタッフとはバックグラウンドも言語も異なりますが、「子どもたちやコミュニティのために、どうしたらもっと役に立つ支援ができるだろう」という気持ちは同じ。根っこに同じ思いを持っていると、コミュニケーションもしやすくなります (中央が木内)

WVJで最初の出張先、ルワンダで。現地スタッフとはバックグラウンドも言語も異なるけれど、「子どもたちやコミュニティのために、どうしたらもっと役に立つ支援ができるだろう」という気持ちは同じ。根っこに同じ思いを持っていると、コミュニケーションもスムーズに (中央が木内)

Q. 日本語を話すように、英語も話しますか?

いえ、キャラクター変わりますよ、メチャクチャ変わります。だって、フランス語も、英語も、表現が大げさじゃないですか。日本語で「ピーナッツ愛しています」なんて言わないけど、英語だとふつうに ”I love peanuts!!” って、「ラブ (Love)」を使いますよね。最初は違和感があったのですが、だんだん慣れてきて…。そうしているうちに、自分の捉え方もだんだん大げさになってくるので、キャラクターも変わるのだと思います。

「キャラが変わる」もう一つの理由は、まさに文化の違いでしょうか。英語も含め、外国語は人とコミュニケーションするために学びますよね。コミュニケーションは、「聞いて理解する」が半分。これも難しいですが、私にとってはどちらかというと残り半分の「話して理解してもらう」方がチャレンジなんです。特に、自分の話すことをまず人に聞いてもらうことが大切だと思います。もっと言うと、外国人が私の話を聞いてみてもいいな、と思ってくれるような中身と話し方をする必要があるわけです。そこの文化で、受け入れられやすいコミュニケーションの方法を体得しようと思うと、自ずとキャラクターが変わってくるような気がします。

例えば、インドネシアに駐在した時は、フランスにいたときとは全く逆で、いかに<婉曲的な表現を使いながら意思疎通するか>が命題でした。インドネシアにはたくさんの民族がいて、それぞれの言語・文化があるので、国として一致団結するためには相手を尊重しながら、自分の主張を理解してもらうことが大事なんだと思うのです。それで、相手を傷つけない婉曲的な表現が、言わばインドネシア人の知恵と教養が凝縮された話し方として根付いているのかなと思います。インドネシアで出会った人たちのコミュニケーション力の高さには何度も驚かされましたし、私も同じ英語であっても、欧米人と話すときとインドネシア人と話すときでは、なんとなく話し方や内容が違っていたと思います。

Q. 国際NGOで働くには、英語はどれぐらい必要だと思いますか?

必須ですよね。海外のオフィスの同僚はみんな外国人だし、英語使ってるからね(笑)

でもみんながネイティブ・スピーカーというわけじゃない。きっと英語が第2外国語のスタッフの方が圧倒的に多いですね。できるに越したことはないですけど、仕事によって、どこまで英語力が求められるかも変わってきますよね。

まずは、英語メールの読み書き。これは、必須ですね。黙っててもメール、来ちゃいますので…。

その次に、英語の研修や会議に出て、その内容を理解すること。出張に行く人はもちろん、海外から同僚スタッフが来て会議をする場合は、東京にいながらにして必要とされるチカラ。

ここまでが受け身。

そして次が、英語でプレゼンすること

次に、英語でネゴシエーション(交渉)すること
最終ステージは、会議で発言すること

…だと私は思っています。

韓国で行われたアジアの事務局長会議 (一番左が木内、右から二人目が元事務局長の片山)

韓国で行われたアジアの事務局長会議で (一番左が木内、右から二人目が元事務局長の片山)

プレゼンとかネゴシエーションは、話すことやゴールが明確ですし、相手が聞く姿勢で待ってくれているので、比較的、楽だと思うんです。一方で、会議での発言というのは、「何を言うか」を考えるのもそうですが「いつ言うか」という要素もあるので難しいと感じます。「今だ!」と思ったら誰かが入ったり、次の話題に進んでしまったり…。アジア人、特に日本人は、「自分の発言は、この会議に貢献する」という確信を持てた時だけ発言する感覚が強いと思うので、言語も思考も英語ネイティブの人が集まっている会議だと、結構大変(つらい…)です。

Q. どんな英語のシチュエーションが、一番難しいと感じますか?

間違いなく、「ごはん」の時ですね。何となく集まって、ご飯を食べるときに話す英語が、私にとっては一番難しいです。言うことは場あたりで、ゴールもなく、当然ながら、みんな私の話を聞きに来ているわけではないので。頭の中にあることをワーーッと話すことが、実は一番難しいのではないかと感じています。

Q. 英語力を維持・向上するためにしていることはありますか?

BBCニュースをアプリ登録しているので、朝、聞いています。(と、話し始めた途端、そのアプリから速報が届く。フランスで山火事だって…1万人が避難だって…と、真剣に読み始めたので、この質問はここで終わり)

Q. 英語以外で習得したい言語はありますか?

フランス語ですね。フランスでは日本人学校に通っていたので、フランス語の読み書きはできないんです。フランス語でパンは買える、道も聞ける、あとはホテルの予約がギリギリぐらいです。インドネシアに住んでいた時は、生活に困らない程度にインドネシア語も話せましたが、この業界は、やはり英語を話せれば大丈夫です。逆に、英語を話せないと厳しいですよね。また、現地に出張するときは、最低限のローカルの言葉は覚えていきます。基本の挨拶に加えて、「きれい」という単語は、いつも覚えていくようにしています。女性の服装に対して「きれい」を使うと、そこから結構会話が弾むので、オススメですよ。

やはりNPO業界では、語学力は重要なスキル。木内も、今でも英語力を維持するために毎朝BBCニュースを聞いているそう。写真は、同じくルワンダで、現地スタッフのアシスタントと (左が木内)

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木内「N女」は、とても明るく、場を盛り上げたり、会話を繋いだりすることが上手なので、「英語でごはんが一番苦手」、というのは意外でした!

改めて聞いてみないと分からないことって、たくさんありますね。
世間的に「謎」と呼ばれる私たち「N女」同士、互いに新しい発見がある毎日です。

「え~わたしなんて、そんな~」と謙遜しながらも、密かにこの連載を楽しんでいた木内「N女」。謎はまだ秘められている気がしますが、いったん追いかけ回すのをやめて、別の「N女」の謎に迫ろうと思います。

ワールド・ビジョン・ジャパンには、まだまだたくさんの「N女」がいます!
ぜひご期待ください!

 

マーケティング第2部
コミュニケーション課
堂道 有香

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【関連ページ】

・「N女」の謎に迫る① ~高学歴をもって、なぜNPO業界の道へ?~
「N女」の謎に迫る② ~何でみんな「高学歴」なの!? 学歴ってやっぱり大事?~
「N女」の謎に迫る④ ~大手外資系企業ゴールドマン・サックス社員が、突然「N女」になったワケ~
堂道スタッフの過去のブログ① ここでは、涙の数だけ、強くなれない
堂道スタッフの過去のブログ② 「生きていれば、また会える」という嘘
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この記事を書いた人

WVJ事務局
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