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【福島からこんにちは】仮校舎で学ぶ子どもとともに

今回は夏休みを目前に控えたある猛暑の日に、子どもたちとたくさん汗をかいて遊んだ出来事を紹介します。

この日訪れたのは福島県二本松市にある浪江町立浪江小学校・津島小学校です。この2つの小学校は2011年3月に発生した東日本大震災と原発事故により休校していましたが、廃校により使われなくなった二本松市の小学校に仮校舎を設け、2011年8月に浪江小学校が、2014年4月に津島小学校が再開しました。2016年7月時点で、浪江小学校には9名が、津島小学校には2名が二本松市、福島市、本宮市から通っています。そのうち7名は今も仮設住宅で暮らしています。それぞれの小学校は同じ敷地内に仮校舎がありますが、クラスと授業は一緒に浪江小学校で行っています。

浪江小学校

福島子ども支援事業では毎週火・木曜日の週2回、放課後にこれらの小学校を訪れ、「放課後なみえっこ教室」として主に低学年の子どもの宿題や遊びの見守りをしています。浪江小・津島小の子どもは午後3時半にスクールバスでの一斉下校となるため、早く授業が終わる低学年の子どもが高学年の授業が終わるのを待っている間に私たちスタッフと一緒に過ごしています。私たちは普段、仮設住宅の集会所等で、被災して避難してきた子どもにとって安心・安全な居場所を提供し学習と遊びの支援を中心に活動していますが、これらの小学校でも低学年の子どもの居場所を確保し学習と遊びの支援をすることで、学校とともに子どものより良い成長を目指しているのです。

普段は3人ほどの低学年の子どもたちと前半は宿題、後半は体育館等で遊んで過ごしています。しかし今回行った時は皆すでに宿題は終わっていたので、体育館で思いきり遊ぶことにしました。しばらくボールを使って遊んでいましたが、授業が終わった高学年の子も加わって総勢子ども5名+スタッフ2名で鬼ごっこをすることになりました!

鬼ごっここの日の最高気温は32度!体育館の中は更なる暑さ!そんな中でも、子どもたちは思いきり走り回り汗をたくさんかきながら真剣に鬼ごっこをしました。私ももちろん真剣&本気です!子どもたちはマットの間に隠れる等、色々工夫しながら逃げたり追いかけたりを繰り返します。誰か1人がずっと鬼になることはなく自然と皆が交代で鬼になります。こんな様子から、子どもたちの中に互いを思いやる心が育まれているのを感じました。

実はこの鬼ごっこメンバーの中に1学期を最後に浪江小から転校してしまう子どもがいました。この子どもも含め、1学期が終わったら浪江小から2名の生徒が他の小学校へ転校するのです。その子どもにとっては浪江小・津島小の子どもたちと一緒に遊べる残り少ない機会でした。すごく寂しいけれど、その子どもは笑顔を絶やすことなく走り回っていたり、鬼役なのにバテてノロノロと追いかける私のところへ来てこっそり鬼を代わってくれたりしました。とても暑い夏の体育館での鬼ごっこでしたが、1人1人がとても楽しいひとときを過ごすことができました。

震災・原発事故から5年以上経った今でも様々な面で厳しい状況は続いていますが、こうして子どもたちが笑顔で学校に通うということが、子どもたちにとっても保護者の方にとっても安心につながっているのだと思います。そしてとても素晴らしいことに、浪江小・津島小の子どもたちのほとんどは昨年1年間、さらに今年も1学期まで欠席することなく学校に来ているのです。子どもたちにとって、これらの学校が安心して楽しく学べる場であることがわかります。

約1ヶ月の夏休み。子どもたちにとって色々なことを経験できた楽しい夏休みとなったことでしょう。この記事が掲載される頃には、また元気に浪江小・津島小の子どもたちに会えているのではないでしょうか。

 

福島子ども支援事業

この記事を書いた人

渡邊 いずみ
渡邊 いずみ支援事業部 開発事業課 福島子ども支援担当
アメリカ、メイン州立大学子ども発達・家族関係学専攻卒業。「子どもとたくさん関わって経験を積む」ため、大学卒業後都内の学童施設や福祉団体に勤務し、子ども家庭支援センターや知的障がい者の入所施設で働く。「途上国での子どもを取り巻く問題を改善したい」「世界の平和に貢献する仕事をする」と予てから抱いていた思いのため、退職後イギリス、イーストアングリア大学大学院で教育開発を学び卒業。2016年1月にワールド・ビジョン・ジャパンに入団し、支援事業部開発事業課で福島子ども支援を担当している。新聞を隅々まで読むことが好き。
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