国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパンのスタッフブログ

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南スーダン緊急支援と私① ~いったい、どんな状況?~

ワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)は2014年2月17日より、ジャパン・プラットフォームの助成を受け、水・衛生関連物資の配布事業を実施しています。助成の関係により、私は南スーダン国内への渡航が認められておらず、ナイロビにあるワールドビジョンの地域オフィスより現地からのメールやスカイプを駆使して事業の管理を実施しています。

物資配布の様子

物資配布の様子

私は大学院で国際協力や開発を専門としてきましたが、紛争地での緊急人道支援事業がどのようなものなのかについて学ぶ機会を得たのは卒業後、社会人として緊急人道支援の業務に従事するようになってからのことです。そこで、本ブログを通じて、緊急人道支援の中でも特に、まさに紛争地での緊急支援というのがどう動いているのか、本事業が何を行っているのかについて、一部お伝えしたいと思います。

【アッパーナイル州での活動】 2月より開始した本事業ではありますが、実際に事業地であるアッパーナイル州ファショダ郡コドック村に物資が届き、物資配布することができたのは4月中旬以降のことです。

昨年12月中旬の南スーダン国内で生じた内戦状態の状況下、アッパーナイル州は油田を抱えているために、激戦地の一つとなってきました。1月後半に政府軍と反政府軍の間で和平協定が結ばれたものの、戦闘は収まりをみせないどころか激しさを増したかのようにも見え、本事業を開始した当初2月、3月は、まだアッパーナイル州都マラカルは激戦地でした。

【激戦地で働く現地スタッフ】 州都マラカルの治安は本事業実施においては最大の課題でありました。マラカルの治安が改善しない限りは、首都ジュバより物資を輸送することもできないどころか、もちろんスタッフが活動することもできません。

さらに、マラカルまでスタッフが入れても、コドックまで物資を送るには、ボートで数時間、ナイル川を北上しなければなりません。もちろん、そのためには、コドックまでの道のりすべて、つまりその川やボート停留所といった場所の安全も確保しなければなりません。

コドックへの移動手段であるスピードボートが停泊昨年12月以降、マラカルは幾度と反政府軍勢力下におかれ政府軍に再掌握され、激戦地の一つとなり、ワールド・ビジョン南スーダン事務所のマラカル・オフィスは破壊・強奪に遭い、かろうじて残ったボートや車両、バイクなどを活用して、マラカルの国連コンパウンド内で現在事業を実施しています。

活動しているスタッフたちは、ボート停留所にあるボートなどが強奪されないように細心の注意を払うなど、スタッフの安全はさることながら、あらゆる細心の配慮をしながら活動を実施しています。 身の危険をいつ感じてもおかしくない極限状態の環境に身を置く覚悟をもって働くスタッフは、日々の生活のストレスを管理しながら、さらに、難題が募る激務をこなさなければなりません。その現地で事業実施にあたるスタッフのストレスや苦労が、メールやスカイプからも一部ではあれ伝わってきました。

【2度目の和平交渉と国際社会の支援】 そのような中、5月上旬には再び、政府軍と反政府軍は和平協定を結びました。しかし、戦闘がすぐに沈静化することはなく、その後も、本原稿を記載している6月上旬でも、アッパーナイル州内でも戦闘が報告されています。

ただし、マラカル内での戦闘について聞く機会が減った頃、現場スタッフからも情勢が以前より安定してきたという報告を受けるようになりました。また国際社会の人道支援も強化され、私たちWVJの本事業にに関しても、国連がまとめている輸送システムが整備され、ジュバからマラカルへの物資輸送便が増えたりすることを通じ、国際社会の支援の恩恵を受けています。 このように、現場のニーズにようやく応えることのできる体制が整い始め、現場では徐々に人道支援のスペースは開かれるようになり、国際社会の支援も集まる中、ケニアの地域事務所の同僚が現地に派遣されたりしていますが、現場の膨大なニーズに応えていくためには、これからますます外部からの支援が重要になっています。

【私の業務】 私は、そのような中事業の管理をしているわけですが、何をすれば現場スタッフや南スーダン国内にいるスタッフが仕事をやりやすくなるのか、どのように南スーダンにいるスタッフとのやりとりで伝わってくることを、日本のみなさんにお伝えできるのかを考える日々です。

南スーダンでもなく、東京でもない場所で、私は日本と南スーダンをつなぐ架け橋となれるようにと目指しております。メールなどのコミュニケーションツールに依存した業務環境の中、多くのスタッフとコミュニケーションをとりながら、最も必要としている人たちに物資を届けることのダイナミクス・興味深さを日々感じております。日本、南スーダン、ケニアの3か所のスタッフが、お互いにとって仕事がしやすいように協力し、南スーダンの避難民の方々にとってよりよい事業ができるよう、最善の思いでもって、物資を届けるためにスタッフ一同日々業務をしています。

次回は、どうやって緊急人道支援が動いているのか、配布物資・物資調達の側面からお伝えしようと思います。

 

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