国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパンのスタッフブログ

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フィリピンで出会った人々(パート1)

先日、ワールド・ビジョン・ジャパン(以下WVJ)に入団後、初めての海外出張でフィリピンに行ってきました。

WVJはこの国でサマールADP(Area Development Program: 地域開発プログラム)を実施中です。

地球儀上で日本を指さす女の子(サマールADP)

地球儀上で日本を指さす女の子(サマールADP)

今回の出張の目的は、現地スタッフと共に事業の進捗状況を確認し、2013年度に向けて、これまでの活動の問題点を洗い出し、改善策を検討するということでした。この短いブログでは難しい話は置いておいて、現地で出会った人々の横顔を皆さんに少しお伝えしたいと思います。

まずは、サマールADPの中でも、奥地にある小学校で働いている先生をご紹介します。

小学校までは、村の中心部から泥道を1時間ほど歩いて辿り着きますが、激しい雨が降れば道は冠水し、周囲からは分断されてしまうような場所です。

不便な場所なので、フィリピンの人々も積極的には行きたがらない場所ではありますが、この小学校では3人の女性教師が働いていました。そのうちの1人がここで紹介する先生です。

小学校までは泥道が続きます

小学校までは泥道が続きます

平日は学校に住み込み、村の中心部に帰れるのは週末だけ。電気は通っているものの、衛生的なトイレも水道もまだ整っていません。

気温30度以上、湿度90%以上という天候を考えると、若い女性にとっては(もちろん男性にとっても)かなりタフな環境だろうと、日本から来た軟弱者は思いましたが、彼女はここで働けることを心から喜んでいるようでした。「私たちは農村の子どもたちの教育に全力を注いでいます!」と語ってくれました。

しかも、この先生は少額の謝礼金以外に給料は支給されておらず、ほぼボランティアで働いているとのこと。
「フィリピンでも僻地手当は支給されているのだろうか・・・」などと、日本の感覚で考えていた自分が恥ずかしくなりました。

彼女の教室内は、カラフルな教材や飾りの数々で彩られていました。近くに文具店等もないので、全て使えるものを再利用して作られたとのこと。そのうちの1つのクリスマスツリーからは、子どもたちのより良い未来を願う彼女の熱意が感じられた気がしました。

僻地の小学校で働く教師。その右隣は日本に支援者がいるチャイルドです

僻地の小学校で働く教師。その右隣は日本に支援者がいるチャイルドです

今年度、WVJはこの学校に、支援の一環として机、椅子、黒板を提供しました。

私が訪問した際には、全校生徒、先生、近隣住民の歓迎を受け、支援者の皆様を代表して感謝のお言葉を頂戴しましたが、この学校で働く先生方の姿を前にすると、何だか少し申し訳ないような気持ちにさえなりました。

現地スタッフが「本当に感謝されるべきなのはここの先生たちだね」と語っていましたが、まさにその通りです。仕事の尊さは、スポットライトが当たるかどうかでは決まりませんよね。

チャイルド・スポンサーシップでは、1人のチャイルドにお金や物品を送り、直接的・限定的に支援をするのではなく、チャイルドが暮らす地域全体のためになるような支援の方法を考え、実行に移しています。

村外れの小さな学校で熱意をもって働く先生に出会い、「私たちはチャイルドやその家族だけでなく、彼らの幸せを願うこの先生のような人々ともつながっているんだ」と感じました。

私たちにできることはほんの僅かかもしれませんが、支援地で汗を流して働くこの先生のような方々の支えになれればと思います。

先生手作りのクリスマスツリー

先生手作りのクリスマスツリー

クリスマスまでに、あと約1200人のチャイルド・スポンサーを募集しています。

この記事を書いた人

松岡拓也
松岡拓也支援事業部  開発事業第1課
東京外国語大学外国語学部英語科を卒業。在学中にインドのコルカタにある「神の愛の宣教者会」(マザー・テレサが創設した修道会)の施設でボランティア活動をし、「途上国」で生きる人々や彼らを支える人々の姿に心動かされる。大学卒業後、YKK株式会社にて勤務するが、インドでの体験が忘れられず同社を退職し、青年海外協力隊(村落開発普及員)としてボリビアに赴任する。現地では標高4,000メートル近い高地の田舎町に派遣され、役所、現地住民、NGOと協力しながら学校給食改善プロジェクトや衛生教育、女性グループの収入向上活動などに携わる。帰国後、日本貿易振興機構アジア経済研究所開発スクール(IDEAS)で学び、開発専門家養成のための研修課程を修了。2012年8月にワールド・ビジョン・ジャパンに入団し、支援事業部 開発事業第1課にて勤務。
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