「私の人生は他人のためのものでなければ、死よりも劣る」
ワールド・ビジョンへの入団を後押ししてくれた元国連事務総長ダグ・ハマーショルド氏の言葉で、とても大事 にしている…つもりです。しかし、いかに大事にできていないか、自分の意志や信念がいかに揺らぎやすいもの かということを私はルワンダで気づかされました。
私は3月21日から29日までツアー同行スタッフとして17人のチャイルド・スポンサーの方々と、アフリカのルワンダという国へ行ってきました。
ほど良い気温、笑顔の素敵な現地の人々、茶色い水が出てくるシャワー、お芋とバナナを使った料理のオンパレード、そして、私たちが車で支援地内を走っていると、何かを叫びながら飛び跳ねて一生懸命手を振り続ける輝いた目の子どもたち。
話に聞いていた通りでした。
支援地では、ボロボロで土まみれの服を着た小さな子どもが、タンクを持ち水を求めて何キロも歩いていました。そのような子どもたちを毎日何十人も見ました。車に気づくと、顔をくしゃくしゃにして、タンクを持っていない方の手で一生懸命あいさつをしてくれた子どもたち。そんな彼らを見て私も幸せな気持ちになり、手を振っていました。こうした光景を脳裏に焼き付けながら過ごしていたのですが、3日目のある時、私は違和感を覚えました。
…あれ?…私がやっていることは、逆ではないか?
くしゃくしゃの笑顔で全力で手を振って元気と幸せを分けるべきなのは、私のほうではないのか。車の中に偉そうに座って、喜んで迎えてくれる子どもたちに喜んでそれに応答しているだけで、自分からあいさつもしなければ励ます言葉もかけていない。現地に来て水に困っている子どもを目の前にしているのに、車の中からそれを眺めているだけ。自分から挨拶もしなければ励ます言葉もかけていない。自分のことがすごく情けなく恥ずかしくなりました。
それからは窓を全開にして身体ごと乗り出し、自分から大声で「ムラホー!(キニアルワンダ語でこんにちは)」「アマクルー?(元気?)」と手を振るようにしました。すると気づいていなかった子どもたちや無表情で立っていた大人までもが素敵な笑顔で手を振り返してくれるようになりました。言葉は通じなくても、笑顔で力いっぱい手を振ることが生み出す繋がりを魂のレベルで感じ、「すべての人に何もかもはできなくとも、誰かのために何かはできる!」ということを確信することができました。
「自分が見るため、自分が何かを得るため」を優先するのではなく、ハマーショルド氏の言葉のように「常に誰かのために」を忘れないようにしたいと改めて思わされたルワンダの旅でした。
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堂道 有香
この記事を書いた人
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