【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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あるNGO職員の戦い

コンゴDRCの経験

私の両足には小学校5年生のときから水虫たちが住み着いている。彼らは、通常寒くなると冬眠し私の足を悩ますことは無いが、春先から目を覚まし寒くなる冬まで私の足をかゆみと悪臭で攻撃しつづけるのだ。しかし寒い時期でも突如冬眠から覚める時がある。それは私の海外出張の際に良く起こる。WVJの事業地の殆どは、アジアやアフリカの熱帯地域で、水虫たちのパラダイスなのかも知れない。

私は、防御策として少しでも目を覚ました水虫たちの活動を活発にさせないために、靴ではなくサンダル等のオープン・シューズと呼ばれるものを靴下無しで直接履くのである。私は幾つかオープン・シューズを持っているが中でも一番気に入っているものは、中国製でエチオピアの市場で安価に購入したものだ。これは、かかと以外は全部が革で出来ていて見た目の高級感があり、履きやすさも抜群である。

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しかし実は難点が1つ在る。それは臭いが凄いのである。おそらく革の質が悪いのであろう、足の汗を吸収した靴底は半径5メートルにわたり強烈な臭いを放ちつづける。従って事業地に行くときでも、スタッフとの打ち合わせや食事等部屋の中にいる際は、気を付ける必要がある。今回はコンゴDRCの出張であったが、事業地の代表の方々やスタッフと事業の成果や問題を話す機会が沢山あった。私は田舎だしアフリカの人は臭いには寛容だろうと高をくくっていたが、「スーッ、スーッ、」と鼻から息を吸い込み「これは何の臭いだ」と確認する人間の生理的なアクションと、若干の間をあけて私の足に向けられる視線を感じずにはいられなかった。結局もうこれ以上コンゴの方々に迷惑をかけるわけにもいかず、お気に入りの履物は廃棄するに至った。

エチケットはどこの国へ行っても大切である。NGOに就職し17年、世界の貧困と戦ってきたが、季節に関係無い水虫との戦いも当分続きそうだ、、、。

 

この記事を書いた人

高瀬一使徒
大学卒業後オーストラリア留学などを経て、青年海外協力隊に参加モロッコに2年間滞在。1989年にワールド・ビジョン・ジャパン入団。タイ駐在などを経て、1997年より支援事業部部長(旧 海外事業部)。現在までに訪れた国数約85カ国。4人の子どもの父親でもある。2014年3月退団。
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