想像してみてください。
食料が尽きて、自分の子どもを食べさせることができないこと、そして自分の子どもが死に直面していることを。
私が、2007~10年まで3年間駐在し、帰国後も7年近く関わってきた、世界で最も新しい国(2011年7月独立)の南スーダンで、いま「飢饉」が起きている。南スーダンの同僚や村で会った人びとはどうしているだろうかと思うと、気が休まらない。
現地の状況は非常に深刻だ。今回の飢饉は、既に3年以上続く内戦のため、戦闘が激しい地域では農作物の栽培や牧畜ができないこと、経済の疲弊など、様々な原因があるという。
このまま飢餓の状況が続くと今年7月までに、550万人(国民の2人に1人)が深刻な食糧不足に陥ると見られている。また、いますぐに支援をしないと約27万人(千葉県市原市の人口とほぼ同規模)近い子どもたちが、餓死する危険性が高いという。なぜ、いますぐ支援が必要かというと、5月から11月は雨季で未舗装の道が水につかるため陸路での移動が困難になり、支援が必要なところにアクセスができないからだ。
ワールド・ビジョン・南スーダンの看護師エリザベス・アサナシオは、子どもたちの栄養状況の改善のため、奔走している。写真のメリーちゃんは、いま14ヵ月で体重が6キロと標準の半分だ。
この深刻な状況を受け、いま、ワールド・ビジョン・南スーダンの緊急支援チーム(緊急支援物資と食料、栄養支援)が、国連のヘリコプターや飛行機でアクセスの難しい地域へ支援を届けている。同僚たちの安全と、何よりも現地の人々の命が救われることを祈りつつ、日本の皆さまへの発信など私ができることをやっていきたい。
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南スーダンの人々に水と食糧を届ける「クリスマス募金」へのご協力をお願いいたします!
この記事を書いた人
- 大学でスワヒリ語(東アフリカの言語)・アフリカ地域学を学んだ後、在ケニア日本大使館において在外公館派遣員として勤務。そこで、ストリートチルドレンへのボランティアを経験したことから、困難な状況にある子どもたちへの支援がライフワークに。留学、タンザニアでの協力隊を経て、2003年2月よりワールド・ビジョン・ジャパンに勤務。リベリア、スーダン、南スーダン駐在を経て、2010年5月より東京事務所勤務。現在、緊急人道支援課長。関西に住む3人のかわいい甥っ子・姪っ子たちの成長が元気の源。
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