【スタッフ・ブログ】国際NGO ワールド・ビジョン・ジャパン

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子どもがすくすく育つって大変だっ

もうすぐ母の日です。
そしてのっけから季節はずれ(というか遅れ)ですが、
3月に、息子の卒業式がありました。
今日のネタは激しく私事ゴトなので、少々ドキドキしております。

息子は地元公立の保育園→小学校→中学校に通い、
人生15年間のほとんどを、自宅からほぼ半径1キロ以内で過ごしました(狭っ。笑)。
保育園から一緒の子たちなんぞは、もう14年間も「知り合い」。
保護者の私たちも長いつきあいになりました。

卒業式当日、卒業証書をもらうために、一人ひとりが名前を呼ばれ壇上に上がります。
120人くらいいるので、結構時間がかかりますが、やるんですね、全員分。

とある中学校での卒業式:卒業証書、授与!(ケニア)

とある中学校での卒業式:卒業証書、授与!(ケニア)

始まる前は正直、長そうだし、寒そう(体育館)、、とタジタジしていたのですが、
始まってみると、これが意外と新鮮で(笑)。
名前が呼ばれると、その子の小さかった頃の印象がふわっと浮かんできて、
「大きくなったなぁ」、とか、
「運動会で顔を真っ赤にくちゃくちゃにして泣き叫んでいた子が、すっかり少女だわ」・・とか。
ユニフォーム姿が見慣れていた息子の野球仲間に至っては、シャキッとした正装姿に、嬉しいようなさみしいような・・
さまざまな感情が去来し、ジブンでも意外でした。

周りにいるママ友、パパ友も同じのようで、小声で、
「大人っぽくなっちゃってねぇ。オムツしてたくせに(笑)」
などと、(たぶん)半分照れ隠ししながら、
まるで親戚のオジチャン・オバチャンのように、子どもの成長を喜び合い、静かに盛り上がりました。

会場を見渡すと、3年間叱咤激励いただいた先生、地域の方々(来賓の方、ですね)、
1,2年生(←さすがに少々退屈そうでした(笑))の、顔、顔、顔。
いろいろな方にお世話になったんだなぁ、、、とあらためて思っていた時、
祝電の読み上げが始まりました。

とある中学校での卒業式:来賓の皆さま(ケニア)

とある中学校での卒業式:来賓の皆さま(ケニア)

その中には、息子の小学校6年生のときの担任の先生方からの祝電もありました。
皆さん、転勤されたりしているのに。覚えていてくださったのねー、とちょっとびっくり。
ほかの小学校から来た子どもたちにも、同じように来ていました。

祝電のメッセージを聞きながら、
前に座っている卒業生たちが歩んできたこれまでの軌跡が伝わってくるような気がして、
ドラマだなぁ・・と心の中で感動していました。

卒業式後の家族写真。お母さん、嬉しそう!(フィリピン)

家族写真@卒業式。お母さん嬉しそう(フィリピン)

もうすぐ母の日です(しつこくてスミマセン)。
母に限らず、子どもの成長を願う気持ちはみんな同じではないでしょうか。
なぜなら、世の中にいる大人のすべてが、かつては子どもでした。
だからこそ、子どもが健やかに育つことの大切さと、同時にその難しさを、
ほんとうはよく知っているのだと思います。

子どもが健やかに育つ条件とは何なのでしょうか。
家庭、学校、病院、、、
大きく言えば国の平和、難しく言えばガバナンスなど、
いろいろあると思います。

ただ、息子の卒業式のとき私が思ったのは、
その中の、「地域」の存在の大きさです。
一人ひとりの卒業生たちが15年間歩んでくるまで、
どれだけ多くの人たちに見守られ、励まされてきたか。

子どもたちを見守る、お母さんと地域の皆さん(フィリピン)

子どもたちを見守る、お母さんと地域の皆さん(フィリピン)

友だち、先生、近所の大人、ちょっと年上の「カッコイイ」お兄さんやお姉さん。
みんな、子どもたちが半径1キロ以内で会った人たちばかりですが、
笑い、泣き、不安になったり、やる気になったり、背伸びをしたり、
子どもたちなりのピンチやチャンスのときに、
声をかけてもらい、気にかけてもらいながら、
かけがえのない励ましや応援をもらっていたんだなぁと実感しました。

地域っていいなぁ、と改めて思いました。

ワールド・ビジョンの支援でも、よく、
「途上国では、コミュニティの自立が大切です」とかって言います。
チャイルド・スポンサーシップなどではとくに強調しています。

まさに灯台下暗し。
「地域(コミュニティ)」は、世界のどこでも、私のまわりでも、というか私自身のためにも、
とても大切でステキなものだったのだと、あらためて、ストンとハラオチしたのでした。

いまさら、ナニ言ってんだ、とお叱りを受けることを覚悟して、の激白?のつもりです。

スミマセン。

皆さまにとって、今年の母の日が、よい日となりますように。

「やったー!みんな一緒に卒業だっ」(フィリピン)

「やったー!みんな一緒に卒業だっ」(フィリピン)

この記事を書いた人

木内 真理子WVJ理事・事務局長WVJ理事・事務局長
青山学院大学を卒業後、国際協力銀行(JBIC)前身のOECFに入社。途中英国LSE(社会政策学)、オックスフォード大(開発経済学)での修士号取得をはさみ、アフリカ、インドネシア、フィリピンにおいて円借款業務を担当。母になったことを契機に転職。東京大学にて気候変動、環境、貧困など21世紀の課題に対応するSustainability Scienceの研究教育拠点形成に従事。「現場に戻ろう」をキーワードに08年10月よりWVJに勤務。アフリカ、中南米、ウズベキスタンを担当。2011年5月より、東日本緊急復興支援部長。2013年4月より副事務局長。2017年4月より事務局長。2020年4月より現職。青山学院大学非常勤講師、JICA 事業評価外部有識者委員、JANIC理事、日本NPOセンター理事
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